『文徳天皇実録』天安元年(857)十月己卯(15日)条に
「常陸国に在る大洗磯前・酒列磯前の両神を薬師菩薩名神と号す。」
「大洗磯前(おおあらいいそさき)神社と酒列磯前(さかつらいそさき)神社は、茨城県を南東に流れる那珂川を間にはさみ、南北に約7km隔てた鹿島灘を臨む丘の上に鎮座している。大洗磯前神社には大己貴命(おおなむちのみこと)、酒列磯前神社には少彦名命(すくなひこなのみこと)が主祭神として祀られている。日本神話では大己貴と少彦名の2神が併せて登場することから、両社もセットとして扱われることが多い。
両社ともに「延喜式」神名帳にその名が見られるが、社名には神仏習合の影響から「薬師菩薩」の号が加わり「大洗磯前薬師菩薩明神社」「酒列礒前薬師菩薩神社」と表記されている。」