福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

角田さんの「第7回江戸33観音東京10社巡拝記録」2/5(修正版)

2015-11-20 | 開催報告/巡礼記録
2、11月8日午前10時35分。この日、第2番札所である放生寺に向います。折から、又、雨が降ってきましたので、二組に分けて、タクシーに便乗しました。このときも、Sさんの手際のよい采配で、スムースに行きました。
江戸第十五番札所 光松山 威盛院 放生寺[東京都新宿区西早稲田2-1-14]
本尊 聖観世音菩薩 宗派 高野山真言宗 準別格本山
放生寺は、寛永18年(1641年)威盛院権大僧都法印良昌上人が、高田八幡[現 穴八幡]の造営に尽力され、その別当寺として、開創された寺院です。 良昌上人は、周防国に生まれ、高野山、安芸宮島で、数度の虚空蔵求聞持法を修法、諸国修行をしていたが、寛永16年[1639年]、奥州金花山の尾上八幡宮に、参篭した夜霊夢の中に老翁が現れ、『将軍家の若君が辛巳の年の夏ごろ、御降誕あり。汝、祈念せよ』というお告げがあったので、直ちに、堂に篭って若君無事誕生を祈念し続けたところ、同年、巌有院殿[四代家綱公]が、降誕されました。この奇瑞により三代家光公が、同山にご参拝,慶安2年(1649年)御厄除の御祈祷を巌修、「光松山放生会寺」の寺号を賜りました。以来、将軍家の崇信は、殊のほか厚く、徳川家代々の祈願寺として、葵の紋、江戸城登城の際の寺格として、独礼登城三色の衣の着用をゆるされたほどです。
開創当時から、明治初期までは、神仏一体として「穴八幡」別当放生寺として寺と神社は同じ境内にあり、社僧として僧侶が、社務を執り、付近一帯は、放生寺門前と言われていましたが、明治2年、当山十六世実光上人の代に、廃仏毀釈の布告により境内が分割され、実光上人の徒弟景明坊が、還俗して、高田近江と改め、それまで、放生寺の歴代住職が兼任してきた「穴八幡」の社務を「神官」として執行し、実光上人は、現在の所に、本尊・聖観世音菩薩を遷されました。
このように、放生寺は、徳川家由来の観音霊場として知られ、七福即生の御本尊の御誓願により融通虫封観世音といわれ親しまれていたそうです。
放生寺といえば、放生会と「一陽来福のお札」が有名です。放生会は、毎年、10月第2月曜日[体育の日]に、行われています。寺号の由来の通り、放生は、あらゆる生き物を放ち、逃がしてやることで、放生会は、万物の生命を尊重する精神を表し、平素の殺生に対して、供養する法会です。
人間はじめ、この世に生きとし生ける者は、例外なく、生きているものを殺し、食べないと生きては行けない、悲しい宿命を背負っています。動物であれ、植物であれ、「命」あるものは、必ず、殺生しなければ、食べ物に与らず、生きては行けないのです。そして、この世の食物連鎖の自然の法則は、「弱肉強食」になっています。誰が、何時、如何して、こうした、残酷極まる法則を作ったのでしょう。神さまでしょうか?仏さまでしょうか?少なくとも、この地球上の絶対法則として、命が他の命を食べなければ、しかも、新鮮な命を食べなければ、生きることが出来ないという、実に悲しい残酷な法則を作られたものです。 (海牛は植物と同じように光合成のみで生きているといいますが・・・いずれにせよ倶舎論では宇宙の初めは一陣の「業」の風であるといいます。神仏がこの世を造ったのではなく、そもそも最初から「業に由りできている」というのです。)こういう定めに対してせめてもの仏の慈悲行の一つとして、放生会は中国の天台大師智よって始められ、わが国では、持統天皇[689年]の御代に、全国各地に放生所を定めて、法会を行ったといわれています。放生救護の法は、金光明経第四流水長者子品、六度集経第三、雑寶蔵経第五など、沢山の教典に説かれています。
「一陽来福」は、江戸時代から,放生寺が、授与している金銀融通のお札です。冬至に、一陽が生ずる事を意味する「一陽来復」という易の言葉に因み、観音経の結びの「福聚海無量」という偈文から、福の字をとって「一陽来福」と名付けられたそうです。江戸天保年間に、冬至前七日間真言密教による観音法の御修法をして、穴八幡別当放生寺が、授与したのが始まりで、爾来180年余りに亘って続けられているのです。虫封じ徒共に、古くから、親しまれています。(同寺由緒がきより)
放生寺の本堂は、この日、改修工事がなされていて、寺の入口から本堂に続く長い参道には、ビニールシートが敷かれており、本堂では、改修工事で、やはり、壁面は、ビニールシートで覆われ、大工さんたちが、作業をしていました。
御詠歌「 ひとおおく たちあつまれる いちのみや むかしもいまも さかえぬるかな 」


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