実語教(傳、弘法大師作、寺子屋等で使用。「実語教註慈賢(鎌倉時代の天台座主)」「実語教諺解(覚賢慧空)」等より解説)解説・・・3
・玉磨かざれば光なし、 光なきを石瓦となす。 人学ばざれば智なし 、智なきを愚人となす 。
(韓非子「和氏(かし)」に
「楚人の和氏(かし)、玉璞(ぎょくはく)を楚山の中に得、 奉じてこれを厲(れい)王に献ず。 厲王、玉人(ぎょくじん)をしてこれを相せしむ。 玉人曰く、「石なり」。 王、和をもって誑となして、その左足を刖(き)る。厲王薨じて、武王位に即くに及び和またその璞(はく)を奉じてこれを武王に献ず。武王、玉人をしてこれを相せしむ。また曰く、「石なり」。王また和をもって誑となしてその右足を刖(き)る。武王薨(こう)じ、文王位に即く。和すなわちその璞を抱きて楚山の下に哭す。三日三夜涙尽きてこれに継ぐに血をもってす。王これを聞き、人をしてその故を問わしめて曰く、「天下に刖(げつ)せらるる者多し、子(し)なんぞ哭するの悲しきや」。和曰く、「われ刖(げつ)を悲しむにあらざるなり。かの宝玉にしてこれに題するに石をもってし貞士にしてこれに名づくるに誑をもってせらるるを悲しむ。これわが悲しむゆえんなり」。王すなわち玉人をしてその璞を理せしめて、
宝を得たり。ついに命じて「和氏(かし)の璧(へき)」という。」とあり。玉はこの如く磨かざれば石と同じなり。人もその如し。
礼記学記篇にいう「玉、磨かざれば器とならず、人學ばざれば道を知らず。----嘉肴(かこう)有りと雖も、食はざれば其の旨きを知らざるなり。至道有りと雖も、學ばざれば其の善きを知らざるなり。是の故に、學びて然る後に足らざるを知り、教へて然る後に困しむを知る。足らざるを知りて、然る後に能く自ら反るなり。困しむを知りて、然る後に能く自ら強むるなり。故に曰く、教學相長ずるなり」。六度経に「人戒なくば石瓦の如し、戒を具する者は明珠の如し」。娑婆論に「一には智有り行有るを国宝と為す。二には智有りて行なきを国師とす、三には行有りて智無きは国の薬とす。四には智なく行無きを国賊とす」。天台文句に「自ら惑うを愚、人をして惑わす者を癡とす。正法念誦経に「八方に通達すといえども後生を知らざる者は愚者とす、一文を知らずと雖も冥途を恐る、これを智者とす」溪嵐拾葉集に「高野大師結偈 有智有行有道心 現證無上大菩提。 有智無行有道心 一生補處菩薩位。無智有行有道心 十地三賢修行者。無智無行有道心 出離生死二乘地。有智有行無道心 暫雖成魔終得果。有智無行無道心 毎生爲師其身貧。無智有行無道心 雖生不賤有福壽。無智無行無道心 不離生死三途業」)
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