日本三代実録貞観八年866正月五日
「五日壬午 天安寺(注1)に於いて三日を限り 田邑天皇文徳の奉為に 金剛般若経千巻、般若心経萬巻を転読す」
(注1)天安寺は京都市右京区の法金剛院付近に位置した寺院。平安時代前期に、右大臣清原夏野(782~837)の山荘が寺院となったもので、双ヶ丘の麓にあったため双丘寺とも称された。天安2年(858)10月に文徳天皇陵の付近で三昧を修する沙弥20口が同寺に住まわせられたのをはじめとして、天安寺は文徳天皇関連の仏事の場となった。しかし11世紀前半以後は史料上より姿を消し、跡地に法金剛院が建立。