今日承和元年(834)五月二十八日は大師(当時61歳)が「承和の遺誡」を製せられた日です。戒を守らぬものは佛罰を蒙ると書かれています。
高野大師御伝に
「承和元年五月二十八日重ねて遺誡文を製して云はく、
諸の金剛弟子等に語[つ]ぐ。それ頭を剃り衣を染めるの類は、我が大師薄伽梵[ばがぼん]の子なり。僧伽と呼ぶ。僧伽といっぱ梵名なり。翻じて一味和合と云ふ。意を等しくして上下諍論なく、長幼次第あり。乳水の別無きが如くして、仏法を護持し、鴻雁[こうがん]の序をあるが如くして、群生を利益す。
もし能く己れを護るを、即ち是を仏弟子と名く。もしこの義に違うをば、魔党と名く。仏弟子は即ち是れ我が弟子なり。我が弟子は即ち是れ仏弟子なり。魔党は即ち吾が弟子に非ず。吾が弟子は則ち魔の弟子に非ず。我れ及び仏の弟子に非ざるは、いわゆる旃陀羅悪人 なり。
旃陀羅悪人は則ち仏法国家の大賊なり。大賊は則ち現世には自他の利無く、後生には即ち無間獄に入らん。無間重罪の人は、諸仏の大慈も覆蔭すること能ざる所。菩薩の大悲も救護すること能わざる所なり。何に況や諸天善神、誰人か存念せん。宜しく汝等二三子、熟ら出家の本意を顧み、ただ入道の源由を尋ぬべし。
長兄は寛仁を以て衆を調へ、幼弟は恭順を以て道を問へ。賤貴を謂うことを得ず。一鉢単衣 にして煩擾を除き、三時に上堂して本尊の三昧を観じ、五相入観して無上悉地を証すべし。五濁の澆風を変じて、三学の雅訓を勤め、四恩の広徳に酬ひて、三宝の妙道を興せ。
此れ吾が願なり。自外の訓誡は一ら顕密二教の如し。違越すること莫れ。もし故らに違越せば五大忿怒 十六金剛、法に依って検殛[けんごく]せん。善心の長者等、内外の法律に依って治擯せよ。一を以て十を知れ、煩く多言せず。承和元年五月二十八日」
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