信金職員刺殺で情報提供呼び掛け 発生から14年、東京都府中市
この現場近くには何度も赴いたり通り掛かったりしたことがあるので周辺状況は理解しているつもりです。
発生時刻が深夜に近かったのですが、当時の京王線の府中駅の周辺は賑わいがあったとしても、信用金庫の裏手には墓地があるくらいですから人通りも相当少なかったと思います。そんな中でであれば相当大きな物音がしない限りは周囲が気が付かなかったのではないでしょうか。
警視庁の未解決事件に関するサイトには府中駅方面に逃走する犯人の身体の一部分が写った監視カメラの画像がありますが、パッと見た感じでは犯人は男の様に思えます。足の細さから想像してもガッチリした体躯ではない様に思えます。もう少し鮮明な解像度や広い角度での撮影があれば良いのですが当時としてはあれが限界だったと思います。
もし顔が写り込んでいれば捜査も絞り込みができたでしょうが、きちんと顔写真があって犯人が誰か特定されていても未解決な儘の事件も沢山あるだけに難しいところです。
遺留品として腕時計などがあるのですが、そこから何も進展しなかったとなると情報が殆ど得られなかったことが想像できます。犯人が周到に下準備しておいて故意に遺留品を落とした可能性もあるでしょうか。そうなると相当なキレ者になりますが。
被害者の交流関係を洗っても犯人に繋がるものがなかったとなると怨恨の可能性は低いと思います。もし怨恨であれば警察の追及に耐えきれなくなる筈です。況してや目的を果たしてしまったのですから何かの拍子に殺害を仄めかすことだってある筈です。
交流関係に該当しなければ、残りは行きずりの殺人でしょう。もし犯人に快楽殺人のサイコパスがあったとしたら簡単には尻尾を出さない筈です。もともと精神的に崩壊しているのですから記憶から消えているかもしれません。そうなれば完全に迷宮入りです。
これだけ疲弊した時代を生きている中には、表向きは正常に見えても実は精神的に崩壊している人が沢山いると思います。もっと警察が踏み込んだ捜査をすれば見つけることも可能かと思いますが、個人情報保護の法律に阻まれて深追いできていない可能性もあると思います。勿論、公権力ですから正しい大義名分があれば事情聴取も可能でしょうが、今日まで進展がないとなれば思ったほど大義名分が集まらなかったのではないでしょうか。
厳しい且つ酷な話ですが、やはり14年という歳月は長すぎです。況してや現場周辺は勿論、信用金庫そのものも建物が新しくなっています。これでは当時の記憶を呼び戻すには無理があります。同じ状況下にあるからこそ記憶を呼び戻せるのに雰囲気がガラリと変わってしまったら記憶との整合性が難しくなるでしょう。