【「文通」と「棋譜並べ」の力学の巻】
■ブログを始めて、ふと思い出した。半世紀前、坊主頭で詰襟姿のわたくしは「文通」していた。熱心な担任がクラス全員の相手をどこからか見つけてきたのだ。アイオワ州あたりの米国中西部にある牧場主の娘だった。
■何を書いたのか、思い出せない。きれいな筆跡だった。写真を見ていないので、姿形は分からない。ブリジット・フォッセー(禁じられた遊び)やトレイシー・ハイド(小さな恋のメロディ)、ナタリー・ポートマン(レオン)のような美少女だったのではないか。インバウンド(訪日外国人旅行)の波が押し寄せる京都や大阪の街で、すれ違ったかもしれない。
■正月、気まぐれでブログに手を出した。忖度すべき読者などないので、囲碁ネタを軸に、書きたいことを書いている。著作権や肖像権などに注意しているが、抗議も苦情もなく、ひとまず順調で面白い。
■ほどなく「フォロー機能なるもの」を知った。人気ブロガーが手本を示してくれる。先輩たちは上手だ。肩のチカラが抜けている。マネブがマナブの近道なり、か。
■気掛かりは、趣味の「未明の棋譜並べ」の激減である。このままでは「カベ突破道場」師範代の座も、早晩危うくなりそうだ。今年は大会にも出るつもり。「ほどほどにせよ」。荒野の呼び声が聞こえてきた。
ぶんつう 遠く離れた人と手紙で交流すること。情報伝達手段が少なかった時代の一般的な文化で、雑誌には相手を募るコーナーがあった。電話の普及であまり使われなくなり、さらに電子メールやSNSが主役になった。流行当時は、親しくなると実際に会うケースも珍しくなく、恋愛・結婚に発展することがあった。文通相手をペンパル (penpal)、ペンフレンド (pen friend)と呼んでいた。