囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

宇宙流の妖刀使い

2019年12月15日 | 【カベ突破道場】

裏定石で世界を変えちゃうの巻】


■「村正の妖刀」定石は、

本拠地同好会でも、駅前碁会でも、“別荘”碁会でも、

五段以上の碁に時折現れます。

小目高ガカリし、それを二間高バサミすると始まりです。

 

わたしは、高ガカリして、はさまれた石から、

一間トビを三つ打ってアタマを出し、

小目の下にツケる「簡明定石」を愛用しています。

勝率が悪くないのですが、少し変化も楽しみたいと思っています。

 


■では「妖刀含みの裏定石」をやってみましょう。

「妖刀の本家」同様に変化が多く、

ヨミに時間が掛かりますので、

入念局用でしょうか。

時間制限のある大会では、ちょっとヤル気が起きません。

 

 

 

▲白4のツケに、黒は2線をハネて受けるのが、穏やかな「基本定石」
白はこの後、地を稼ぐ手順が多いのですが、中央にアタマを出して戦う変化もあります

 

▲「妖刀の本家」 

とても扱いきれるものではありません

もう一つ、30年近く前から打たれ出した大ゲイマガカリもありますが、

わたしは勝率が今一つなので止めました

 

▲黒2のハネ出しが本日のテーマ

これも変化が多く、一歩間違えると奈落の底です

 

▲左下スミに黒石があり、黒のシチョウが有利の場合はどうか?

白は黒1子を抱えることができません

石数といい、碁形といい、

黒が有利の展開と思います

 

▲今度は黒のシチョウが悪い場合はどうなるか?

白が地を稼ぎ、黒が勢力の互角の分かれ

白は10目強の「いい地」になりますが

黒の勢力(厚み)も今後の戦いに威力を発揮します

わたしは黒を持ちたいと思うのですが、いかがでしょうか?

 

         ◇

 

▲武宮流大模様作戦

1969年プロ十傑戦の本田邦久七段(黒)―武宮正樹四段戦

たった一人で碁の世界を一変させた「宇宙流」の代表局の一つ

白番・武宮はこの後、右辺一帯を大模様とした

 

▲参考

武宮はなぜ白8の下ハネの「基本定石」を選択しなかったのか

右上スミの「目外し」と連動した「右辺と中原を重視する大模様作戦」が

不発に終わるから、といわれています

左上と左下に黒石があるのに、大模様作戦とはーー

わたしには、まだとても使いこなせそうにもありません

やっぱり凄いですね、世界の武宮!

 


村正の妖刀 小目への一間高ガカリに二間高バサミしてから変化する定石。難解で未解明部分が多く、変化形も多い。一手誤ると致命傷になるところから、名刀にちなんで命名された。妖刀定石ともいい、大斜、大ナダレとともに大型三大難解定石とされる。昭和初期から打たれ出し、今も高段者に人気の定石の一つ。



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