半目勝負の超細碁を
整地してみましょう
テキストは
昭和の名局です
基本パターンさえ
頭に入れておけば
やっていくうちに
洗練されていきます
総じて云うならば
習うより慣れよ
です
◇
いつもの対局を
途中で投げては
モッタイナイです
学びの素材は
整地だけではありません
終盤はダメが詰まり
オイオトシやウッテガエシ
手入れなど大事な要素が
いっぱいあります
ここに碁の御馳走が
たっぷりあります
▼一流棋士同士の対局
この図で、終局です
まだ打つべき地点が残っています
「終わりですね」と呑気なことを云わず
ダメを詰めてしまいましょう
▼「手入れ」と「ダメ詰め」が終わりました
境界線が決まりました
▼死んだ石(アゲハマ)を、碁笥(ごけ)の蓋に全部入れます
蓋に入っていない石はカウントせず、元の碁笥に戻しておきます
アゲハマを蓋に入れず、手に持ったまま埋るのはやめましょう
相手からクレームがあれば、トラブルに発展しかねません
この時点で、全体を見渡し、「整地の構想」を立てます
アゲハマで埋めるべき小さな陣地と
最後に数えるべき比較的大きな陣地を
ざっと見極めてからスタートします
いきなり石を埋めていくと、うまく行きません
なお、手が交錯するようなら、
白はいったん手を止めます
黒の整地が終わった後で、
白が整地すればいいのです
相手の整地作業を観察する余裕をみせましょう
▼1目2目の小さな所を埋め、数えやすい大きな所を残します
おおまか「2列」「3列」あるいは「5列」に整えるのがコツ
この後の仕上げは簡単です
▼「30目形」「20目形」「10目形」「残り一カ所に半端」で整地が完成
「黒陣の総目数」と「白陣の総目数」を数え「盤面の目数差」を確認
白陣にコミをプラスして、目数差を修正して、勝敗を確定します
この碁は「コミ5目半」時代でしたから、黒半目勝ちです
「コミ6目半」時代の今なら白半目勝ちになってしまいます
1目を争う「ミクロの勝負」はヨセの腕の見せ所ですが
目数計算は、ほとんどのアマが苦手とする所ですよね
でも苦手のままにすれば、碁がいつまでも強くなりません
つまり
〝整地ができる、できない〟は、棋力と無関係ではないのです
整地をきちんとやれば、どこが最終的に地になったのかが分かり
布石の大切さ、中盤の巧拙が、おぼろげながら分かってきます
盤面で
黒の陣地は「58目」
白の陣地は「52目」
コミ5目半を白に足して「57.5目」
黒が半目残しました
第7期名人戦挑戦者決定リーグ戦
昭和57年6月17日、東京市ケ谷・日本棋院
先番 林 海峯 九段
武宮正樹 九段
5目半コミ出し
235手完、黒半目勝ち