囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

整地の練習帳6

2023年09月03日 | 【カベ突破道場】

 

半目勝負の超細碁を

整地してみましょう

テキストは

昭和の名局です

 

基本パターンさえ

頭に入れておけば

やっていくうちに

洗練されていきます

 

総じて云うならば

習うより慣れよ

です

 

    ◇

 

いつもの対局を

途中で投げては

モッタイナイです

学びの素材は

整地だけではありません

 

終盤はダメが詰まり

オイオトシやウッテガエシ

手入れなど大事な要素が

いっぱいあります

ここに碁の御馳走

たっぷりあります

 

 

 

 

▼一流棋士同士の対局

この図で、終局です

まだ打つべき地点が残っています

「終わりですね」と呑気なことを云わず

ダメを詰めてしまいましょう

 

 

 

▼「手入れ」と「ダメ詰め」が終わりました

境界線が決まりました

 

 

 

死んだ石(アゲハマ)を、碁笥(ごけ)の蓋に全部入れます

蓋に入っていない石はカウントせず、元の碁笥に戻しておきます

アゲハマを蓋に入れず、手に持ったまま埋るのはやめましょう

相手からクレームがあれば、トラブルに発展しかねません

 

この時点で、全体を見渡し、「整地の構想」を立てます

アゲハマで埋めるべき小さな陣地と

最後に数えるべき比較的大きな陣地を

ざっと見極めてからスタートします

いきなり石を埋めていくと、うまく行きません

 

なお、手が交錯するようなら、

白はいったん手を止めます

黒の整地が終わった後で、

白が整地すればいいのです

相手の整地作業を観察する余裕をみせましょう

 

 

 

1目2目の小さな所を埋め、数えやすい大きな所を残します

おおまか「2列」「3列」あるいは「5列」に整えるのがコツ

この後の仕上げは簡単です

 

 

 

▼「30目形」「20目形」「10目形」「残り一カ所に半端」で整地が完成

「黒陣の総目数」と「白陣の総目数」を数え「盤面の目数差」を確認

白陣にコミをプラスして、目数差を修正して、勝敗を確定します

 

この碁は「コミ5目半」時代でしたから、黒半目勝ちです

「コミ6目半」時代の今なら白半目勝ちになってしまいます

 

1目を争う「ミクロの勝負」はヨセの腕の見せ所ですが

目数計算は、ほとんどのアマが苦手とする所ですよね

でも苦手のままにすれば、碁がいつまでも強くなりません

 

つまり

〝整地ができる、できない〟は、棋力と無関係ではないのです

整地をきちんとやれば、どこが最終的に地になったのかが分かり

布石の大切さ、中盤の巧拙が、おぼろげながら分かってきます

 

盤面で

黒の陣地は「58目」

白の陣地は「52目」

コミ5目半を白に足して「57.5目」

黒が半目残しました

 

 

 

 

第7期名人戦挑戦者決定リーグ戦

昭和57年6月17日、東京市ケ谷・日本棋院

 

先番 林 海峯 九段

   武宮正樹 九段

5目半コミ出し

235手完、黒半目勝ち

 

 



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