囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

友情とカネを巡っては

2020年11月28日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 


三つの碁会の世話人を続けて思うこと の巻】

 

 


銭のことを、むかしは阿堵物(あとぶつ)といった。

中国の晋代の方言で「あんなもの」と言う意味である。

大臣だった王衍(おうえん)は清廉潔白で世に聞こえたヒト。

その妻、郭氏はなかなかの欲張りで、税を取ることを好んだ。

 


しかるに夫が一度も銭のことを口にしないので

なんとかして関心を持たせようと考えた。

ある時、下女に言い付け、部屋に銭をばらまいておいた。

やがて帰宅した夫は、これをみて

阿堵物(あんなもの)は片付けよ」とだけ

至極あっさりと命じたという。

 


「阿堵物」は、清廉潔白な人物を意味するようになった。

しかし一方で、それだけではなかっただろう。

尊敬と親愛とは、本質的に相反するものである。

「どうしようもない堅物」「話せない奴」と、

陰口を叩かれていたのではあるまいか。

 

 

人をまとめていくときに、

緩んでは、組織は破綻しがちであり

締めれば、窮屈だと不平が出るものである。

百人いれば百通りのモノの見方、考え方が存在する。

一体、どうすれば、人と人との間に横たわる

バカげた馴れ馴れしさとバカげた友情を避けられるか

愛しもせねば 憎しみもせぬ?

何も言わず 何も信じない?

 

とかく この世は棲みずらい。

 

 

 

 

 

公開中=月給よりも友を選ぶ 2020/10/05



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