フォズトーンが再び私たちに放ったオーダーメイドアルバム企画の第2弾「From the Inner Kingdom」
前作より選曲数を増やし、また前作のように限定1000枚とかにせずに
期間限定の受注生産にしてくれたことは本当によかったと思っている。
仕事がある身にとっては時間を決められて限定となると本当に大変なことになるからだ。
さて、いろんな人がいろんなところで自分の選曲を教えてくれた。
でも、どれを見ても誰一人としていっしょの人はいない。
これがとっても不思議であり、あらためて人間の個というものを感じてしまうのだ。
誰一人なにものにも代えられないってことを。
私は結構早く選曲は決まっていた。
・・・はずだった。
ところが申し込む直前になって
「blow by blow」がその選択曲の候補にあがっていないことに気がついた。
私は自身の思い込みでこの曲はあるものだと信じきっていた。
だから、どんなに慌て、ある意味絶望的になったことか。
なぜならこの曲で私のOMA2は完璧だったからだ。
最初の選曲はこういうものだった。
ベーコンエッグとシェービングヒーロー
Blow By Blow
Club Rubber Soul
Keller Water
MOTHER ROCK
森には帰れない
ターミナル
Fish, Chips, Cigarettes
GENERATeR
再脱走のテーマ
ところがBlow BY Blowが選択できないというので
LOVEを入れる方法もあった。
実のところ最初はLOVEを選曲してたんだ。
でも、この曲の色がちょっと他の曲と違うなって
思い始めて、しかもアルバムのタイトルとなって
すでに世に出てるほどの濃い曲なのだ。
それをまたあえて入れてしまうのも
色が濃過ぎて他のものの色が薄まってしまうような気がしたんだ。
で、これは外そうと決めた。
もちろんこの曲は大好きだし、
個人的にかなり思い入れのある曲だ。
でも、アルバムとして1枚作るなら
どんなに素晴らしい曲でもバランスを
考えたら、抜かざるを得ないんだ。
世の中にはきっとそのようにして
彷徨ってしまう曲もあるんだろうな。
でも、この「LOVE」はもうしっかり独り立ちして
歩いているから大丈夫だし、フォズの代表曲の1つになるのは
わかっている。
さて、そこで私がまた考えたのがこうだ。
ベーコンエッグとシェービングヒーロー
Club Rubber Soul
Keller Water
MOTHER ROCK
森には帰れない
ターミナル
Fish, Chips, Cigarettes
TOUGH!!!
GENERATeR
再脱走のテーマ
である。
これで発注したんだ。
これらを選んだ理由。
何から話したらいいんだろう?
まず、外すことを余儀なく強いられた
Blow By Blow
ここに実は最初のヒントがあった。
「風」である。
そして
「ステップを踏むんだダーリン」という歌詞である。
加えて「ナイロビ」である。
村上春樹がそこにいた。
私は今回、
「村上春樹を読んだあとで」
というテーマで選曲した。
これらの曲には
村上小説を読んだときの空気感や熱と似たものが
感じられると同時にそれを読み終えた人間の
読後感が混じっているように思ったから。
村上春樹氏の処女作は「風の歌を聴け」だけれど
このタイトルの最初は「Happy Birthday And White Christmas」だった。
ふと、フォズの「LOVE」に出て来る
♪So Happy Birthday~と偶然ではあるけれど
繋がった時に、なんか必然的な何かを私は勝手に感じたんだ。
Blow By Blowが生まれるためにすでにLOVEがあったのか
LOVEが生まれるためにBlow By Blowがあったのか
それはわかんないけれど、
お作りになったご本人も「なにそれ?」と思うだろうけれど
どちらかに細胞は隠されていたんだと思っている。
「From the Inner Kingdom」を作り出す細胞がね。
でも、そのBlow By Blowが入れられなくなった時に
どうしようって一瞬パニくった私だったが、
冷静に考えると
「TOUGH!!!」があるではないかと
これを投入することにした。
なぜ「TOUGH!!!」だったのか。
それはあとで。
で、まずは選曲の第一番目から順番に話していこうと思う。
「ベーコンエッグとシェービングヒーロー」
これを最初にもってきたのは
小説の最初のイメージだったから。
主人公がまず小説の読み始めるところからこのアルバムは始まる。
最初に、ひげ剃りっていうのがすごく春樹的だと思ったし
この歌詞の中に実際に「春樹」という言葉が入ってる。
下記にこの曲について書いている。
http://blog.goo.ne.jp/funnybunny17/e/87f1ca5b06d8308696d68e726be96a6f
そして、この歌で思い浮かべたのは「ダンスダンスダンス」であり
「1973年のピンボール」だった。
だからここから「Blow By Blow」へ繋がれば完璧だったのだけれど
入れられなかったから、その次に配置していた
「Club Rubber Soul」をもってきた。
「1973年のピンボール」のラストに
双子の残していった「ラバーソウル」という下りがある。
また、
これもどこか「ダンスダンスダンス」の空気感がある。
あるいは「羊をめぐる冒険」の。
パーカッションにも関係あるんだろうけれど
私にはどこかアフリカの風が吹いているように感じるんだ。
村上春樹の小説にはアフリカっていうのはそんなに出てこないかもしれないけれど
記憶にあるのは「納屋を焼く」に出て来る北アフリカ。
また、彼が翻訳する小説にもアフリカが出て来る。(ポール・セローの小説)
だからどこかにアフリカの香りがしてくるのだ。
OMA2に関係ないけれど「納屋を焼く」に出て来る女の子が
パントマイムを習っている女の子なんだけれど
まだ、これを友達から奨められて初めて読んだ時は私も若い女の子であり
パントマイムを習っていたからなんかちょっとだけ
うれしかった。
さて、話を戻して「Club Rubber Soul」にしけたナッツ
ぬるいコロナっていうのがなんかリゾートの香りを漂わせる。
スカサウンドな感じが、また夏の香りも溢れさせていて
聴いていると心がトリップする。
村上春樹の小説には「ラバーソウル」の中の曲がタイトルになっているのもあるよね。
「ノルウエーの森」だ。
このアルバムを持っているんだけれど
このCDがPARLORHONE仕様で、
この仕様を再現したのがFoZZtoneの「The Sound of Music」というアルバムである。
このようにいろいろ繋がっていく。
次にもってきた「Keller Water」
これを最初に聴いたとき浮かんだのは「海辺のカフカ」
この歌に出て来る「少年」という言葉で
ぱっと繋がったのがカフカ少年。
♪気付くために目ざめる
っていう言葉もこの「海辺のカフカ」のナカタさんを思い出すし。
愛のように注ぐ雨よ~♪
っていうフレーズで最初ここと「LOVE」の
愛は雨のように注いでいる~♪
と繋げようかとも思ったけれど
先に書いた理由により「LOVE」は入れなかった。
この次に「MOTHER ROCK」
村上春樹の小説にはどこか「母なる女性の欠落」というか
奥さんがいなくなったり、お母さんがいなかったり
母として不適格だったりする人が出て来たりする。
カフカにもギリシャ悲劇の「オイディプ王」の話を
モチーフにした部分が登場する。
この「MOTHER ROCK」を聴いてたら
現代風に解釈して、奔放な母性像を描いているようにも思える。
これは「ダンスダンスダンス」のアメだったり
「海辺のカフカ」の佐伯さんだったりが浮かんで来る。
「森には帰れない」を聴いたときに最初に浮かんだのは
「海辺のカフカ」で大島さんにカフカが連れて行ってもらう
森の中での家やその周辺でのシーンだ。
あるいはその森の奥の異次元の世界だ。
そこにカフカは留まらず、結局森を出て行く。
その感じがこの歌を聴いてて思い出された。
僕だって今君のこと考えれるんだよ♪
っていう部分がなんかカフカと重なるんだ。
そして「ターミナル」
ここはまさに「海辺のカフカ」のラスト近く。
ターミナルにはいろいろなターミナルがあるけれど
これは電車のターミナル。
カフカ少年が自分の世界に戻っていくシーンだ。
「Fish, Chips, Cigarettes」については下記にも書いたけれど
http://blog.goo.ne.jp/funnybunny17/e/0f9fcffddbcb6dcaf4bbba7804066018
絵画と愛を絡めている歌だ。
内容的にはダリが出て来るので「海辺のカフカ」の15歳の佐伯さんが見つめる絵とは関係ないんだけれど
「絵」がキーワードな気がするんだ。さらにディアボロスという言葉で
ちょっと「ジョジョの奇妙な冒険」のディアボロを思い出したけれど。
その次に最初は入れてなかった「TOUGH!!!」が来た。
これはまさに
「君はほんものの世界でいちばんタフな15歳の少年なんだからね。」という
「海辺のカフカ」のラストに近い一節に繋がるんだ。
♪新世界ですね
っていうところもまさにそのラストの
「君は新しい世界の一部になっている」と繋がるわけで。
マジカルミステリーツアーに入っている
ビートルズの名曲「ALL YOU NEED IS LOVE」を
パロディにしているのかリスペクトしているのか
♪ALL I NEED IS TOUGH!!!
ALL YOU NEED IS SERIOUS
ALL WE NEED IS LOVE!!!
というフレーズがある。
ここから「LOVE」に繋がっていく気もする。
あと、間でちょっと映画「PULP FICTION 」の主題歌『Misirlou』
のギターの雰囲気を思い出しちゃった。
トゥトゥトゥのところはポルナレフの「シェリーの口づけ」を思い出したし。
なんか名曲のスパイスがあちこちに散りばめられている楽しい曲でもある。
そして、私はこの曲のドラムのドライブ感がすっごく好き。
これがとってもアフリカ的。
ベースの重厚感もほんと抱きしめたいくらいに音がかっこいい。
ここで小説を読み終えた主人公が
本から得た感情を吐き出して
今の自分を奮い立てる感じが
「GENERATeR」
この曲は私がもっとも好きな曲である。
この曲は歌い手も聴き手もその感情の爆発を
させることのできる曲だ。
この曲で私はいったん心を爆発させる。
私の思う主人公もね。
そして、何もかも吐き出すんだ。
でラスト。
「再脱走のテーマ」
この曲はハッピーエンドとは決して言えないけれども
どこか光が待っていてくれる感じが
村上小説と共通な感じがするのと同時に
この小説を読んでいた主人公が
先に吐き出しきったところで
自分をふりかえり、
また静かに前に進んでいこうっていう意思が
そこに感じられるんだ。
また新しい世界が始まる。
内なる王国から外の放たれた感情は
果たしてどのように進んでいくのだろうか?
でひとまずテーマは終わる。
テーマと同時にこのOMA2は朝に始まり朝に終わるようにも考えたので
朝がリンクしていく。
さて最近フォズの2枚組の「INNER KINGDOM」のリリースが
発表された。
このOMA2は第三部的ポジションなの?
わかんないけれど。
そこにはめるとまた違う展開になるのかもしれない。
今まで行きて来て、OMAほど音楽好きをワクワクさせる企画には
あったことがないから、本当に楽しい時間を過ごさせてくれた
FoZZtoneに感謝。
きっと人生終わる時にこのアルバムを大事な人たちに
渡してこういうんだろうね。
「これは私が選曲した最高のアルバムです!」
前作より選曲数を増やし、また前作のように限定1000枚とかにせずに
期間限定の受注生産にしてくれたことは本当によかったと思っている。
仕事がある身にとっては時間を決められて限定となると本当に大変なことになるからだ。
さて、いろんな人がいろんなところで自分の選曲を教えてくれた。
でも、どれを見ても誰一人としていっしょの人はいない。
これがとっても不思議であり、あらためて人間の個というものを感じてしまうのだ。
誰一人なにものにも代えられないってことを。
私は結構早く選曲は決まっていた。
・・・はずだった。
ところが申し込む直前になって
「blow by blow」がその選択曲の候補にあがっていないことに気がついた。
私は自身の思い込みでこの曲はあるものだと信じきっていた。
だから、どんなに慌て、ある意味絶望的になったことか。
なぜならこの曲で私のOMA2は完璧だったからだ。
最初の選曲はこういうものだった。
ベーコンエッグとシェービングヒーロー
Blow By Blow
Club Rubber Soul
Keller Water
MOTHER ROCK
森には帰れない
ターミナル
Fish, Chips, Cigarettes
GENERATeR
再脱走のテーマ
ところがBlow BY Blowが選択できないというので
LOVEを入れる方法もあった。
実のところ最初はLOVEを選曲してたんだ。
でも、この曲の色がちょっと他の曲と違うなって
思い始めて、しかもアルバムのタイトルとなって
すでに世に出てるほどの濃い曲なのだ。
それをまたあえて入れてしまうのも
色が濃過ぎて他のものの色が薄まってしまうような気がしたんだ。
で、これは外そうと決めた。
もちろんこの曲は大好きだし、
個人的にかなり思い入れのある曲だ。
でも、アルバムとして1枚作るなら
どんなに素晴らしい曲でもバランスを
考えたら、抜かざるを得ないんだ。
世の中にはきっとそのようにして
彷徨ってしまう曲もあるんだろうな。
でも、この「LOVE」はもうしっかり独り立ちして
歩いているから大丈夫だし、フォズの代表曲の1つになるのは
わかっている。
さて、そこで私がまた考えたのがこうだ。
ベーコンエッグとシェービングヒーロー
Club Rubber Soul
Keller Water
MOTHER ROCK
森には帰れない
ターミナル
Fish, Chips, Cigarettes
TOUGH!!!
GENERATeR
再脱走のテーマ
である。
これで発注したんだ。
これらを選んだ理由。
何から話したらいいんだろう?
まず、外すことを余儀なく強いられた
Blow By Blow
ここに実は最初のヒントがあった。
「風」である。
そして
「ステップを踏むんだダーリン」という歌詞である。
加えて「ナイロビ」である。
村上春樹がそこにいた。
私は今回、
「村上春樹を読んだあとで」
というテーマで選曲した。
これらの曲には
村上小説を読んだときの空気感や熱と似たものが
感じられると同時にそれを読み終えた人間の
読後感が混じっているように思ったから。
村上春樹氏の処女作は「風の歌を聴け」だけれど
このタイトルの最初は「Happy Birthday And White Christmas」だった。
ふと、フォズの「LOVE」に出て来る
♪So Happy Birthday~と偶然ではあるけれど
繋がった時に、なんか必然的な何かを私は勝手に感じたんだ。
Blow By Blowが生まれるためにすでにLOVEがあったのか
LOVEが生まれるためにBlow By Blowがあったのか
それはわかんないけれど、
お作りになったご本人も「なにそれ?」と思うだろうけれど
どちらかに細胞は隠されていたんだと思っている。
「From the Inner Kingdom」を作り出す細胞がね。
でも、そのBlow By Blowが入れられなくなった時に
どうしようって一瞬パニくった私だったが、
冷静に考えると
「TOUGH!!!」があるではないかと
これを投入することにした。
なぜ「TOUGH!!!」だったのか。
それはあとで。
で、まずは選曲の第一番目から順番に話していこうと思う。
「ベーコンエッグとシェービングヒーロー」
これを最初にもってきたのは
小説の最初のイメージだったから。
主人公がまず小説の読み始めるところからこのアルバムは始まる。
最初に、ひげ剃りっていうのがすごく春樹的だと思ったし
この歌詞の中に実際に「春樹」という言葉が入ってる。
下記にこの曲について書いている。
http://blog.goo.ne.jp/funnybunny17/e/87f1ca5b06d8308696d68e726be96a6f
そして、この歌で思い浮かべたのは「ダンスダンスダンス」であり
「1973年のピンボール」だった。
だからここから「Blow By Blow」へ繋がれば完璧だったのだけれど
入れられなかったから、その次に配置していた
「Club Rubber Soul」をもってきた。
「1973年のピンボール」のラストに
双子の残していった「ラバーソウル」という下りがある。
また、
これもどこか「ダンスダンスダンス」の空気感がある。
あるいは「羊をめぐる冒険」の。
パーカッションにも関係あるんだろうけれど
私にはどこかアフリカの風が吹いているように感じるんだ。
村上春樹の小説にはアフリカっていうのはそんなに出てこないかもしれないけれど
記憶にあるのは「納屋を焼く」に出て来る北アフリカ。
また、彼が翻訳する小説にもアフリカが出て来る。(ポール・セローの小説)
だからどこかにアフリカの香りがしてくるのだ。
OMA2に関係ないけれど「納屋を焼く」に出て来る女の子が
パントマイムを習っている女の子なんだけれど
まだ、これを友達から奨められて初めて読んだ時は私も若い女の子であり
パントマイムを習っていたからなんかちょっとだけ
うれしかった。
さて、話を戻して「Club Rubber Soul」にしけたナッツ
ぬるいコロナっていうのがなんかリゾートの香りを漂わせる。
スカサウンドな感じが、また夏の香りも溢れさせていて
聴いていると心がトリップする。
村上春樹の小説には「ラバーソウル」の中の曲がタイトルになっているのもあるよね。
「ノルウエーの森」だ。
このアルバムを持っているんだけれど
このCDがPARLORHONE仕様で、
この仕様を再現したのがFoZZtoneの「The Sound of Music」というアルバムである。
このようにいろいろ繋がっていく。
次にもってきた「Keller Water」
これを最初に聴いたとき浮かんだのは「海辺のカフカ」
この歌に出て来る「少年」という言葉で
ぱっと繋がったのがカフカ少年。
♪気付くために目ざめる
っていう言葉もこの「海辺のカフカ」のナカタさんを思い出すし。
愛のように注ぐ雨よ~♪
っていうフレーズで最初ここと「LOVE」の
愛は雨のように注いでいる~♪
と繋げようかとも思ったけれど
先に書いた理由により「LOVE」は入れなかった。
この次に「MOTHER ROCK」
村上春樹の小説にはどこか「母なる女性の欠落」というか
奥さんがいなくなったり、お母さんがいなかったり
母として不適格だったりする人が出て来たりする。
カフカにもギリシャ悲劇の「オイディプ王」の話を
モチーフにした部分が登場する。
この「MOTHER ROCK」を聴いてたら
現代風に解釈して、奔放な母性像を描いているようにも思える。
これは「ダンスダンスダンス」のアメだったり
「海辺のカフカ」の佐伯さんだったりが浮かんで来る。
「森には帰れない」を聴いたときに最初に浮かんだのは
「海辺のカフカ」で大島さんにカフカが連れて行ってもらう
森の中での家やその周辺でのシーンだ。
あるいはその森の奥の異次元の世界だ。
そこにカフカは留まらず、結局森を出て行く。
その感じがこの歌を聴いてて思い出された。
僕だって今君のこと考えれるんだよ♪
っていう部分がなんかカフカと重なるんだ。
そして「ターミナル」
ここはまさに「海辺のカフカ」のラスト近く。
ターミナルにはいろいろなターミナルがあるけれど
これは電車のターミナル。
カフカ少年が自分の世界に戻っていくシーンだ。
「Fish, Chips, Cigarettes」については下記にも書いたけれど
http://blog.goo.ne.jp/funnybunny17/e/0f9fcffddbcb6dcaf4bbba7804066018
絵画と愛を絡めている歌だ。
内容的にはダリが出て来るので「海辺のカフカ」の15歳の佐伯さんが見つめる絵とは関係ないんだけれど
「絵」がキーワードな気がするんだ。さらにディアボロスという言葉で
ちょっと「ジョジョの奇妙な冒険」のディアボロを思い出したけれど。
その次に最初は入れてなかった「TOUGH!!!」が来た。
これはまさに
「君はほんものの世界でいちばんタフな15歳の少年なんだからね。」という
「海辺のカフカ」のラストに近い一節に繋がるんだ。
♪新世界ですね
っていうところもまさにそのラストの
「君は新しい世界の一部になっている」と繋がるわけで。
マジカルミステリーツアーに入っている
ビートルズの名曲「ALL YOU NEED IS LOVE」を
パロディにしているのかリスペクトしているのか
♪ALL I NEED IS TOUGH!!!
ALL YOU NEED IS SERIOUS
ALL WE NEED IS LOVE!!!
というフレーズがある。
ここから「LOVE」に繋がっていく気もする。
あと、間でちょっと映画「PULP FICTION 」の主題歌『Misirlou』
のギターの雰囲気を思い出しちゃった。
トゥトゥトゥのところはポルナレフの「シェリーの口づけ」を思い出したし。
なんか名曲のスパイスがあちこちに散りばめられている楽しい曲でもある。
そして、私はこの曲のドラムのドライブ感がすっごく好き。
これがとってもアフリカ的。
ベースの重厚感もほんと抱きしめたいくらいに音がかっこいい。
ここで小説を読み終えた主人公が
本から得た感情を吐き出して
今の自分を奮い立てる感じが
「GENERATeR」
この曲は私がもっとも好きな曲である。
この曲は歌い手も聴き手もその感情の爆発を
させることのできる曲だ。
この曲で私はいったん心を爆発させる。
私の思う主人公もね。
そして、何もかも吐き出すんだ。
でラスト。
「再脱走のテーマ」
この曲はハッピーエンドとは決して言えないけれども
どこか光が待っていてくれる感じが
村上小説と共通な感じがするのと同時に
この小説を読んでいた主人公が
先に吐き出しきったところで
自分をふりかえり、
また静かに前に進んでいこうっていう意思が
そこに感じられるんだ。
また新しい世界が始まる。
内なる王国から外の放たれた感情は
果たしてどのように進んでいくのだろうか?
でひとまずテーマは終わる。
テーマと同時にこのOMA2は朝に始まり朝に終わるようにも考えたので
朝がリンクしていく。
さて最近フォズの2枚組の「INNER KINGDOM」のリリースが
発表された。
このOMA2は第三部的ポジションなの?
わかんないけれど。
そこにはめるとまた違う展開になるのかもしれない。
今まで行きて来て、OMAほど音楽好きをワクワクさせる企画には
あったことがないから、本当に楽しい時間を過ごさせてくれた
FoZZtoneに感謝。
きっと人生終わる時にこのアルバムを大事な人たちに
渡してこういうんだろうね。
「これは私が選曲した最高のアルバムです!」
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