HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

小南泰葉 インストアライブ at Osaka

2012年06月03日 | 小南泰葉
2012年6月2日(土) 大阪梅田茶屋町NUタワーレコードにて

小南泰葉さんのフリーライブがありました。
これは「嘘憑キズム」を買ったらイベント参加券をもらえるものでしたが
これはサイン会にも参加できるというものであって、当日に参加券も
なくても見れるライブでした。

私の場合はイベント券はもらっていましたが。

この茶屋町NUに来るのはタワレコのイベントの時だけだな~って
改めて思います。大阪にはいろいろ行く場所がたくさんあって
最近では買い物は大阪駅の大丸伊勢丹ルクアだけでもありすぎて
そこだけでも疲れる感じなのでその周辺まで足を運ぶ事もなくなりました。

だから、前のMAGIC PARTYとカジヒデキさんのイベントの時以来です。

でも、このNUには好きなお店があります。
ひとつは「LULU GUINNESS」
もうひとつは「STANDARD BOOKSTORE」です。

ルルの方はイギリス人のデザイナーの方のブランドですから
イギリス臭プンプンなんですが、私からすると高価。
なので小物(財布とか)を持つのがやっとかな。
でも、以前ユニクロでコラボした時にはTシャツ喜んで(笑)
買いましたけどね。彼女のデザインする女の子にふと
「小南泰葉」をかぶせてしまうのも私の変なところかな(笑)

「STANDARD BOOKSTORE」はアート系の本や雑貨など
ヴィレバンのような毒性はなく、フレンチな雰囲気というか
そういう本屋と雑貨屋さんプラスカフェというスタイルで
しかもカフェで食べたり飲んだりしながらゆっくりと
その店内にある本を見て吟味できるという太っ腹なお店です。
「汚さないのかな~。」ってちょっと心配にはなりますが。

この日は私は本とかを見る程度に。
欲しかった村上春樹氏の本も見つかったし。
ふつうの本屋さんでは見つけられなかった本です。
あと、ダリ(サルヴァドール)の時計も買ったよ~!
なんと1029円プラス消費税!

食事は「カンテグランテ」というインドカフェというのか
昔からよく行ってたお店で野菜カレーとパンプキンプディングとチャイ。
おいしかった。

ってここまで何も小南泰葉ちゃんと関係ないですね。ごめんなさい。


さて、リハ中は仕切りで見えなくされていて、
お客さんを入れる時になって仕切りがとられました。

結構男性ファンが多かったというか当たり前か。
年齢層も幅広く。

女性も幅広く、親子連れもいらっしゃいました。

男性ファンの雰囲気もいろいろでヘヴィ系から坊ちゃん系サラリーマン系など
いろいろで、いろんな人の心をつかんでいるんだなと思いました。

セットリストは

足枷
脳内フラクション
藁人形売りの少女
拘束ロード
嘘憑きとサルヴァドール
おとなのうた

サポートはバイオリンとギターはナラやんこと楢原英介氏と
キーボードはハジメタルではなくあ~名前が~
どなたか教えてください。とても素敵な方でしたよ。

前のライブの時は見えなかったけれど
この日は明るいインストアライブだったので
彼女のアコギがちゃんと見えました。

どうやらCRAFTERのツインバードっていうのを
彼女は使っているみたいです。

ボディに絵が描かれているもの。
すごくかわいいの。

この日は6曲もやってくれて
ふつうのライブイベントと変わらぬ曲数ですごく得した気分です。

彼女が最初出て来て早々に言ったのが
「トイレ行ってきていいですか?」
まあ、その流れは彼女のブログ見たらわかると思いますが
この会場とトイレの位置関係においてステージから出て行かないと
トイレに行けないわけで、多分お客さんを全部入れるまでは
出られなかったんだと思うのです。
だから裏でずっとガマンしてたんだなって

こういうのはもちろん初めて体験したけれど
でもそこでますます人間性溢れる泰葉ちゃんが
好きになりました。

作られた偶像じゃなく感情も意思もある人間なんだっていう。
かわいこちゃんシンガーじゃなくてロックボーカリストなんだっていう。

彼女が行っている間はならやんたちは美しいメロディを
奏で続けてくれてました。

一曲目は「足枷」
新しい曲ばかりやるのかなって思っていたから
意外でうれしかった。

サカナサカナなところがサカナサナダに聞こえちゃう(笑)

HELLO!HELLO!HELLO!のところがインパクトがあって
ここがすごく好きです。

次の「脳内フラクション」からはすべて
アルバム「嘘憑キズム」からの曲でした。

どの曲も大好きで、またこのアルバムについては
別の日に改めて書こうかなと思っています。

なので一曲ずつについてはここでは書きませんね。

間のMCで彼女がCDを工場で作っている時に
ジャケットにイタズラ描きを何枚か描いて
それが当たった人はアンハッピーみたいに
言ってましたが、それはハッピーということです。

そしてそのイタズラに当たった人が二人会場に
来られていました。そういうのって楽しいよね。

そのジャケットを泰葉ちゃんが見せてもらって
一度手から離れたのをまた見るのって感動するって
いうようなことを言ってました。

ラストにやってくれた「おとなのうた」が
本当にうれしかったです。

私はこの歌を最初に聴いたときに
「あ~やっぱり私がこの小南泰葉っていうシンガーを好きになる理由が
ここにもあったんだ。」って思いました。

古くからこのブログを見て下さっている方はご存知かと
思いますが、「星の王子様」の作者であるサンテグジュペリが大好きというか
たぶん世界で一番私にとっては重要な作家なのです。

私がこのように長く生きて来ているのには
ロックとサンテグジュペリの存在がどれほど大きかったかと言えます。

彼の作品の中でダントツに好きなのは「人間の土地」という作品。
これは伊坂幸太郎の「砂漠」という作品にも引用されています。
(だから私は伊坂氏も好き。)

サンテグジュペリはサンテックスと呼ばれています。

そのサンテックスを私が大学出てすぐ勤めた会社の
同期の男の子がフランス語科で勉強してたのです。
彼の家にいくとサンテックス全集がど~っとあって
それを借りて順番に読んでました。
もちろん、サンテックスを好きになったのはもっと前で
子どもの頃「星の王子様」は読んだのですが
その時は自分が子どもだったからかきっと同じ感覚だから
何がすごいのかわからず、なにが?って感じでしたが
大学の時に恋愛で悩んでいる時に読んだ時に泣けて来ました。

同じ水をくんで手渡してくれても好きな人なら
その水がこの世の全ての中でおいしい水に感じられる感覚。
人を好きになるっていうのはそういうことなんだと
この「星の王子様」によって教えてもらいました。

小説とは別に彼の書簡集みたいなのも読んだら
そこには人間臭い部分がいっぱいあって
「本を売れるようにするにはどうしたらいいか。」
みたいなのもあって、現実に戻された感覚もありましたが
そういう人間的な部分も知れてよかったと当時思いました。

ジャンルが違っても
ミュージシャンたちだってそういうことを実際考えているわけですものね。

サンテックスは突然飛行機にのって行方不明でこの世から姿を消しました。
彼はずっと不明なままです。だからこそ彼のことをいろいろ考えました。
どこかで生きていたらすごいなとか。彼に会いたかったなとか。

私は好きすぎて山梨県にある星の王子様ミュージアムにも2回行ってるし
家で使うディナープレートは星の王子様柄だし、スプーンもあるし
陶器の王子様やひつじやきつねが家に飾られています。
ぬいぐるみもあります。

まあ、家中がそれっていうわけじゃありませんが
何せロックな人なので(笑)

ロックに混じる王子様であります。

話がそれ過ぎですね。

で「おとなのうた」に
星の王子様とサンテグジュペリという言葉が入っています。

おとなというものは一体なになのか?

心に感じるものが極端に減ってしまうのか?
目に見えるものしか信じられなくなるのか?

そんな嘆きや訴えや悲しみを感じられるのがこの歌です。
まさにサンテグジュペリの葛藤でもあります。
小南泰葉ちゃんの葛藤でもあります。
そして20歳を超えてかなり経つ私もいまだに
この年齢で葛藤しています。

この歌で
「一瞬の閃光」という最後のくだり
まさに「星の王子様」とのお別れのシーン

大事なものを失ったってことを感じる時です。

この曲をライブで聴けてほんとうに幸せでした。

サイン会は丁寧にジャケットにネコちゃんといっしょに
サインをしてくれました。

少しの会話と笑顔
どきっとした一言(笑)
そんなすべてを忘れません。

私はこの日彼女の決意をすごく感じました。

今は本当の歌といいながら嘘つきなシンガーもいるけれど
小南泰葉ちゃんは「嘘の歌」「嘘」といいつつ本当を歌うシンガーだと思います。

椎名林檎と比較してよく言わない人もいるけれど
多少林檎さんを思い浮かべることもあっても
それがどうなの?って感じです。

GLAYのテル君が氷室さんの歌い方に凄く似てて
歌も似てたとしてもそれがなんの障害になった?

ミスチルの櫻井さんがエルヴィスコステロに似てたって
誰が責めた?

NICO Touches the Wallsの光村さんが桑田さんの
影響をかなり受けててもなんの問題もないよね。

それといっしょ。

みんな大好きだったり昔よく聴いた曲に
影響を受ける。

解散しちゃったけれどジェットはビートルズの影響バリバリだったし
世界中で音楽はどこかでリレーしていくんだよ。

そしてそれを自分らしくリレーすればいいじゃん。

私は林檎さんも好きだしCDも持っている。
なぜか事変はもってなくて林檎名義のばっかりだけれどね。

彼女の芝居っぱい演劇っぽい世界が好き。
彼女の人生を投影しているというよりは
自分の作り上げた世界を演じる感じが好きだった。
エンタテイナーロッカーだと思っていた。

一方、小南泰葉ちゃんは詩は見世物小屋の片隅を
見ているようなある意味現実離れしているようなんだけれど
どこかリアルが存在していて、そこが惹かれるところ。

画家でいうと金子國義氏の描く世界のイメージ
作家でいうと島田雅彦氏の描く話に登場する女の子に泰葉ちゃんが重なる。

中村佑介氏の描く世界にはちょっと出てこないかな?

今回のインストアで泰葉ちゃんの決意を受け取った!
そんな気がした。

自分をすべて見せる決意。

I am Yasuha Kominami!

私が小南泰葉だ!っていう。


私はそんな彼女が大好きだ。
彼女は自分を偽らない
「嘘憑キズム」はすなわち
「嘘に取り憑かれたら傷つくぜ」っていう風に
解釈している。

「人間の土地」という本の冒頭あたりに

「人間というのは障害物に対して戦う場合に、はじめて実力を発揮するものなのだ。」

というのがあるけれど

これからもどんどん戦っていってほしいし
ずっと私は彼女の味方でいたいと思っています。

今月あるライブすごく行きたいけれど
仕事上まったく無理で、悲しいけれど
次回を待ちます。

とにかくタワレコでのインストアライブは
フリーでもほんとうに素晴らしいライブでした。

一日幸せでした。



















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