歌舞伎をだいぶ以前、観に行った。
玉三郎の「楊貴妃」だったと記憶している。
その頃も、財政的に逼迫状態。
ふと、思い立って出向いた。
「うん千円」くらいと高をくくって行った。
思ったより高価で、財布の軽さに、「ここまで来たのに・・・・」とあきらめあぐねていた。
チケットを求める人々が行列だった。
待ち合わせ風の何人かの女性グループが、声をかけてきた。
「チケットが一枚あまっている」とのこと。
飛びついた。
グループと一緒に、入場。
たっぷり、玉三郎の舞台を堪能した。
あれから、何十年と過ぎ。
その後は、テレビで観賞する程度。
あの時の、喜びは、今でも忘れられない。
あの時の、舞台の感動は薄れてしまったけれど、お金があったら、生の舞台をまた観たいと思う。
お能や歌舞伎への興味は、高校生の頃の課外授業で確立。
縁があって、何回か、生の舞台を観ることができたけれど、貧乏人には、テレビで観賞するしかない。
なかなか、縁の作れない状況ではあるけれど、また生の舞台を観たいと思った。
だから歌舞伎はおもしろい
富塚慶秀
祥伝社