きょうは、賢治童話 、『風野又三郎』の紹介です。　　　九月一日　どっどどどどうど　どどうど　どどう、　ああまいざくろも吹きとばせ　すっぱいざくろもふきとばせ　どっどどどどうど　ど...

  九月二日　次の日もよく晴れて谷川の波はちらちらひかりました。　一郎と五年生の耕一とは、丁度午后二時に授業がすみましたので、いつものように教室の掃除をして、それから二人一緒いっし...

 　九月三日　その次の日は九月三日でした。昼すぎになってから一郎は大きな声で云いました。「おう、又三郎は昨日また来たぞ。今日も来るかも知れないぞ。又三郎の話聞きたいものは一緒にあべ...

　九月四日「サイクルホールの話聞かせてやろうか。」　又三郎はみんなが丘の栗の木の下に着...

    九月五日「僕は上海だって何べんも知ってるよ。」みんなが丘へのぼったとき又三郎がいきなりマントをぎらっとさせてそこらの草へ橙や青の光を落しながら出て来てそれから指をひろげてみ...

　　　九月六日　一昨日からだんだん曇って来たそらはとうとうその朝は低い雨雲を下してまる...

　　　九月七日　次の日は雨もすっかりはれました。日曜日でしたから誰も学校に出ませんでし...

　　　　九月八日　その次の日は大へんいい天気でした。そらには霜の織物のような又白い孔雀...

　　　九月九日「北極は面白いけれどもそんなに永くとまっている処じゃない。うっかりはせま...

　　　　九月十日「ドッドド、ドドウド、ドドウド、ドドウ、　ああまいざくろも吹ふき飛ばせ...