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『除霊』(昭和55年10月6日初版発行)より。
はじめに。安氏が、完全な空心状態になって起す<アウム振動>は、安氏を構成している1000億の細胞を全部振動させて、想像もできないような電磁波振動を起すわけであるが、この<アウム振動>があらゆる振動に抵抗力が弱い脳細胞、その中でも特に弱いといわれる旧皮質に強い刺激をあたえて、現在の退化した状態から本来の完全な形態にもどしてくれるのであると。
その安氏が、被験者の両眼をふたつの指で軽くおさえて、<アウム振動>
を起せば、大部分の人たちは、閉じた目の前が明るくなるのを感じるという。
安氏いわく、だが他の霊魂が憑依している場合には、見知らぬ人々の姿とか、その他の奇妙な形、あるいは赤い光を見る例もある。しかし、いくら長いあいだ両眼をおさえて<アウム振動>を起しても、目の前が真っ暗な人がいる。
このような病人の場合は、俗にいう“目の前が真っ暗闇”という、ほとんど回復不可能な重病人ということである。このような患者はすでに旧皮質の機能がほとんどマヒした人とみなければならない。いわゆる体質改善をするためには、あまりにも手遅れになった患者である。
そう、人体の中の旧皮質が完全に作用するようになれば、宇宙のどこかからくる生命電磁波を受けてより強力な電流を発生させ、身体じゅうのあらゆる経絡に流してあげることによって、普通の人の場合は身体の中に蓄積されやすいいっさいの有毒ガスを体外に排除することができる。そのような肉体に変わるというのが筆者が現在信じている考えなのである。
また、両手の手のひらの掌心から太陽のエネルギーを吸収しながら、口からは<アウム振動>を起こして体の中の気を、経絡を通じて循環させる特殊な気循環運動を毎日くり返すようになると、体の中にそれまでたまっていた老廃物がこの時に起こる電磁波振動によって燃焼気化し、手のひら、足裏から排泄することが可能な特異な体質に変わると。
<霊能力者と霊覚者>
霊能力者とは、保護霊または憑依霊の助けを受けて、霊言・霊聴・霊視することができる能力をもっている人々を意味するのである。これとは反対に超能力者とは、生まれた時から、または後天的な修練によって体の構造、その仲でも頭脳の機能が人並みすぐれた発達を遂げた人たちで、普通の人よりもずっと高い次元に属する宇宙力を発揮することができる人間をいうのである。
大部分の霊能力者が、初期には種々の神通力を発揮するけれども、本人が自己自身に備わった能力であると錯覚を起こして、おごりたかぶり、金欲・色欲を追求するようになれば、それまで霊能力を供給していた保護霊、または憑依霊は去ってしまうのである。
これとは反対に、超能力者とは体の機能自体が特異で、宇宙力を行使することができる人間なので、途中で超能力がなくなるわけがないのである。
この世の中に霊能力者は非常に多いけれども、真性なる意味での超能力者は、全世界を通じてごく少数に過ぎないのではないかと思われる。
ところで霊覚者とは、霊能力者がもっと精進をして到達する境地を意味するのである。霊覚者とは、深い修養と、多くの人々に対する絶え間ない奉仕をすることによって、ついに霊界に存在する<真我>(これは宇宙意識ともいう)と完全にひとつになった境地に立つようになった人をいうのではないかと思う。
・続きは次回に・・・・。