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秋晴れの日、ふらりと隣町の小諸城址懐古園に行ってきました。その、二の丸跡に若山牧水の短歌「かたはらに秋くさの花かたるらく ほろびしものはなつかしきかな」が彫られています。
私は高校の教科書でその歌を見たような・・・・。人生が何かなんてわからない自分には、ほろびしものはなつかしきかな の句にはピンときませんでしたが、今回、改めて読むと、少しはわかったのかなと・・・・。
「廃墟となった小諸城址に 座っていると すぐそばに咲く秋草の花が語ることには 滅んだものは懐かしいものだね」という意味のようで、この歳になってようやく過去が懐かしく思われる自分を見るのです
でも、この短歌は、牧水が26歳で出版した第四歌集『路上』が出典ですと、驚きました。牧水は25歳の折に大失恋をしていて、それが元で体を壊し信州で静養していました。『路上』にはその時期に詠まれた歌が多く収められています。また、牧水の作品には自然の美しさを透明感ある表現で描写したものが多く自然主義文学と呼ばれ、牧水は文才に優れており、短歌の他には紀行文や随筆も有名です。
そんな若い牧水と違って、高齢者と呼ばれてもおかしくない私ですが、「ほろびしものはなつかしきかな」とくれば、今は亡き両親と妹との想い出です。それに、この小諸の高校に通った自分、高校時代も今はなつかしい想い出です。
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『秋の陽と、、、』
小学校・中学校は
はるか昔
高校時代の友は
今 どんなだろう
小諸城址は 変わらず
暮れ行けば 浅間も見えず
歌哀し 佐久の草笛
リタイアのわたしは
楽しい想い出を胸に
明日を 夢見て
気持ちは
秋の陽ざしのよう
色づく紅葉の
うれしさです
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かたはらに 秋草の花 かたるらく 亡びしものは なつかしきかな
・掲載の写真はその散歩の時の幾つかです・・・・。春の懐古園についてはこちら