気仙沼線駅巡りを一旦中断し、東北新幹線に関する話題をお伝えします。
2011年3月11日にあの東日本大震災が発生し、東北新幹線は1200箇所もの被害を受けました。被害の軽微だった大宮~那須塩原間が3月15日に再開しました。4月7日以降の大きな余震で540箇所もの被害を受けたにもかかわらず、4月25日には仙台~一ノ関を除いて再開し、残る区間も本日運転を再開します。トンネルや高架橋の崩落がなかったとはいえ、震災からわずか49日で暫定ダイヤながらも復旧したことになります。その上、当初は運転再開時期未定とされていた「はやぶさ」を、復興のシンボルとして2往復運転します。
それでは、この暫定ダイヤの特徴をざっと見てみましょう。簡略化のため、東京発下り列車で表現しています。
・「はやぶさ」
東京から新青森までの所要時間は3時間10分から4時間5分(東京~仙台は1時間45分から2時間6分)。
「はやて」「やまびこ」などと同様の料金体系となり、グランクラスは5000円が被災地に寄付されます。
3編成のうち1編成が被災していることで、運用数が2本から1本に減っています。仙台6:26→8:32東京8:44→12:49新青森16:17→20:24東京20:36→22:42仙台
・「はやて」
速達はやては21本から13本に減少し、所要時間が3時間28分から4時間23分に。
仙台~盛岡間各停はやては6本から2本に減少し、所要時間が3時間2分から3時間35分に。
新青森行きの最終は、20:04から19:00に。
「はやて95号」に相当するスジは「はやて195号」になり、仙台発が6:40→6:28に。
・「やまびこ」
盛岡行きは10本から12本に増加しますが、仙台ゆきは、那須塩原始発を含めても27本から26本に減少します。
所要時間は、「つばさ」併結列車で2時間9分から2時間26分に伸び、盛岡行きで3時間12分から3時間51分伸びます。
・「こまち」
16本から13本に減少し、所要時間も3時間58分から4時間52分に伸びています。(始発の場合)
・「つばさ」
17本から16本に減少し、所要時間も3時間46分から3時間58分に延びています。(始発の場合)
・「なすの」
郡山行きと那須塩原行きを含めて16本で変わりなし。
暫定ダイヤの特徴は以上の通りです。とにもかくにも、首都圏から東北地方へのビジネス、観光、帰省の足がまた1つ確保されたことで、復興に向けてまた1歩進んだことになります。経営ベースから考えると、JR東日本の稼ぎ時に当たるGW再開は特段驚くことではありません。しかし、あれだけの被害があったにも拘わらず49日振りに全線開通したことは、余りにも性急過ぎた感があります。25日の仙台開通時ように送電トラブルがないか心配です。
東北新幹線の暫定全通は、あくまでの復興のシンボルが出来上がったということだけです。周辺部は未だにがれきの山で、災害のプロである自衛隊などがまだまだ活躍しているのが実情です。被災地が落ち着くのはまだまだ先です。一日も早い復興を願ってやみません。