現在の箱根は一大観光地となって日本はおろか世界
の国々からくる観光客の日本で行きたいところの一つ
になっているいますね。しかし芦ノ湖の西北部湖尻に
ある箱根用水取水口という場所はあまり目立たないの
で知られていないかもしれません。
湖尻にある箱根用水取水口というのは、徳川四代将
軍家綱の時代に浅草の商人友野与右衛門が地元農民と
夜盗一味そして島原の残党などが工事に協力して、今
の三島付近の水不足で苦しんでいた農民のために芦ノ
湖の水を引く掘削情事を行った。徳川4代将軍の役人
は将軍家の威光にかかわるとしてあらゆる工事妨害を
したがそれを乗り切って完成させた。この工事は丹那
トンネル工事に相当する工事と言われています。
この箱根用水工事の様子を描いた「箱根風雲録」は
私に大きな感動を与えてくれました。原作は高倉輝
(1891-1986)の書いた小説「ハコネ用水」理論社
(1951年)です。私は原作を読んでいませんが探し
て読んでみたいと思っています。
この映画ではもう一つ面白いエピソードが合うよう
です。それは女優飯田蝶子さんがオーデションに応募
した時あの容貌で落とされるところだったのですが、
美人ばかりでは映画にならないだろうと啖呵を切って
採用されたというのですが、違う場面だったのかもし
れません。
さらに蛇足ですが、最後のシーンで島原の残党の頭
が幕府の役人に追い詰められて最後を悟ったときに、
一面のススキの原の中で一刀を一閃した。ススキの穂
先が夕日の中に舞い上がってキラキラと散り落ちる光
景はすばらしい映像として私の記憶に残っています。
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