たわいもない話

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

玉子石

2009年11月27日 17時44分22秒 | 朝の散歩
 夜明け前、二階の窓越しに外を眺めると、澄みきった空に星が美しく輝いていた。

 今朝は天気がよさそうだ!

 早速トレーニングウエアーに着替え、薄暗い中を海岸沿いのジョギングに出かけた。

 冷たい風が身体に吹き付け“ブルブル”と身震いし、指先は“ズキズキ”痛む。

 海辺に着くころ、ようやく東の空がオレンジ色に染まり始めた。

 海は大時化
 太陽の光を受け、蒼白く輝き、湧き出すように押し寄せる白波は、ライオンが鬣をなびかせ襲い来るように、岩に対って仕掛け花火のように飛び散り潮煙をあげていた。

 岬の先端に着くと、波で削られ丸くなった大小の玉子石が、押し波・引き波につられ“ガラガラ”“ゴロゴロ”と騒ぐ低い唸り声が腹の奥深く響く。

 打ち寄せる大波の間をかいくぐり、小さな玉子石を手に取り“じ~と”見つめる。

 この石、どんな歴史を刻んでいることだろう?

 数千年、数万年、いやそれ以上の、古の、古の世界が頭に浮かび、気が遠くなりそうな海原が眼前に広がっていった。



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