たわいもない話

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

砂電車の冒険 (3)

2008年11月12日 18時27分29秒 | 砂電車の冒険
砂 電 車 の 冒 険  ( 1-3 )

太陽が西にかたむき夕凪の日本海が紅色に染まっていきます。
庭の鯉のぼりは風もなく“だら~ん”とうなだれるようにたれさがっています。
陽朗さんと海人君が鯉のぼりを下ろしていると
「パパ、海人ご飯ですよ~」
砂千子さんの声がしました。
陽朗さんと海人君は大急ぎで鯉のぼりを片付け、水道で手を洗うとキッチンに向かいました。
大海さん一家のキッチンテーブルは細長です。正面に陽朗さん。右側に砂千子さん。その横の子供椅子に渚君が座りました。
海人君が椅子に座ろうとすると
「海人、手は洗ったの?」
砂千子さんが尋ねました。
「今洗ったよ!今日はコロッケか?」
海人君がうれしそうに右側のいすに座ろうとすると、砂千子さんのお手伝いをしていた奈美ちゃんが
「パパ、潮干狩はどこに連れて行ってくれるの?」
うれしそうに尋ねました。
海人君も
「パパ、どこ、どこに行くの?」
二人は陽朗さんの顔をのぞきこむように見つめました。
「まだ決めてなよ。ママと相談してみるね!」
陽朗さんは渚君にコロッケを細かくして食べさせている砂千子さんに
「ママ、何処かいいところはないかな~」
「そうね~。鳥取砂丘、それとも山陰松島、そうそう白兎海岸あたりはどうかしら?」
陽朗さんは頭に手をやりながら考えていましたが
「因幡の白うさぎで有名な白兎海岸にしようか。海人、奈美どう?」
「パパ、僕、白兎海岸でいいよ」
海人君が答えると
「ぼくもいく、ぼくもいきたい」
渚君はうれしそうに、ハンバーグを“パクリ”と口に入れました。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 砂電車の冒険 (2) | トップ | 砂電車の冒険 (4) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

砂電車の冒険」カテゴリの最新記事