「先輩、大丈夫ですか?昨日、先に帰ってしまったので、心配しました。」
「大丈夫よ。先に帰っちゃってごめんね。」
「田辺さん、心配していましたよ。」
「え?」
…意外だった。
目の前の年上女性が退散したことで、変な気を使わずに済むし、新しい他の女の子と会話をするチャンスが増えたはずなのに。。。
「LINE ID送っておきますね。」
「え?ID…って、誰の?」
「田辺さんです。急に帰っちゃったから、連絡先ぐらい交換したかった…って。もちろん、アクセスするかどうかは、先輩に任せるそうです。」
「……。」
…本気なんだろうか?
「感じよかったですよね、田辺さん!先輩が帰ったあと。寂しそうでしたよ。」
自分が帰ったあと、別の女性と盛り上がって楽しんで帰ったんじゃないかと思っていたから、意外だった。
…どうしよう…。
元々恋愛下手で、こういう事が苦手な自分は、田辺くんの連絡先をどうしたらいいのか…途方に暮れる。