懐かしの見た目
「八重山スケッチの旅」で西表島ジャングル探検をした時、縦に白線の入った、尾の青いトカゲを見た。名前は忘れたが子供の頃には何度もお目にかかっているトカゲ、ヤンバル(沖縄島の北部地方の俗称)の親戚の家でも、南風原(那覇市の東隣の町、私が子供の頃は畑の広がる田舎)の親戚の家でも頻繁に見たトカゲ。色模様がきれいなので見間違いなどでは無い。確かに、沖縄島でも昔はどこにでもいたトカゲであった。
そういえば最近、というか、ここ20年以上も見ていなかったことに気付く。沖縄島のヤンバルに行けばまだたくさんいるかもしれないが、私の住む首里近辺では、あるいは実家のある泊近辺ではもう緑が少なくなって、住み辛くなったのかもしれない。などと思いながら図鑑を開いて名前を調べる。イシガキトカゲであった。
沖縄島にもたくさんいるというのに名前はイシガキトカゲ、何故か。図鑑にはオオシマトカゲ、オキナワトカゲ、イシガキトカゲと色模様の似たトカゲが3種あった。それぞれ奄美大島近辺、沖縄島近辺、石垣島近辺に生息する亜種なのだそうである。
オキナワトカゲも縦に白線の入った、尾の青いトカゲであるが、成長するとその色模様は消えるらしい。懐かしの見た目は、オキナワトカゲの子供であったようだ。
イシガキトカゲ(石垣蜥蜴)
トカゲ科の爬虫類 石垣島、西表島に分布する固有種 方言名:不詳
石垣島で最初に発見されたのでイシガキと名がつく。沖縄諸島にはオキナワトカゲ、奄美諸島にはオオシマトカゲという種があり、本種と色形が似ている。
文献に7本の白い縦線があると書かれてあったが、写真のものは5本しかない。それでもイシガキトカゲ。本種は住む場所によって色や模様が微妙に変わるそうで、山地のものは白線が5本になるとのこと。成長によっても色が変わるらしい。
体長15センチ前後の小型のトカゲ。石垣島、西表島の林内では普通に見られる。
記:ガジ丸 2005.12.16 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行