オジサンとなってから散歩が趣味となって、あちこち散歩しながら草木の写真を撮っているうちに、せっかくなので何かで紹介しようと、元々は沖縄の植物を紹介する目的で始めたこのガジ丸HP、なのに、しばらく植物の紹介を休んでいた。植物(動物も)を紹介するためには、撮った写真のものが何者か判明させ、文献を参考にしながらその説明文を書くという作業がある。何者か判明させる作業に時間がかかる。300坪の畑を始めるようになってから、畑仕事が忙しく、その作業に割く時間が減ってしまったからだ。
先週紹介したイルカンダはガジ丸HPが紹介する植物としては何と2014年5月23日以来であった。2年余ぶりの植物紹介はこれからしばらく続く、はず。
久々の植物紹介、その第2段はベニバナクサギ、「何で?」と問われても特に理由はない。写真があったのと、その写真がどこで撮ったものか判らなくて、日記を調べてやっと判って、「あーあの時」と懐かしくなって、涙が出そうになって・・・なんて理由。
2011年1月17日、住まいがまだ前の前、石嶺のボロアパートだった頃だ。その日の日記は「午後家を出てパレット久茂地へ、屋上にカユプテを発見・・・(中略)日本酒を買って、桜坂劇場へ、映画『マザーウォーター』を観る、前半は良かったのだが、後半から女たちのセリフがうざったくなった。」となっている。その頃はよく映画を観に行っていたなぁと思い出した。ベニバナクサギはパレット久茂地の屋上庭園にあった。
その日の日記の続きに「三越で天然鯛の切り身750円ばかりのものを買う。帰ってそれを肴に飲む。」ともあった。天然鯛750円を肴に酒を飲んでいたんだ、その頃はまだそれなりの給料を貰っていたんだなぁと思い出して、涙が出そうに・・・。
ベニバナクサギ(紅花臭木):壁面・鉢物
クマツヅラ科の蔓性常緑低木 原産は西アフリカ 方言名:不詳
名前の由来、資料が無く正確には不明だが、ベニバナは花の色が紅色をしているからであろう。クサギ(臭木)は広辞苑に「クマツヅラ科の落葉小高木。山野に多く自生し、高さ約3メートル。葉は大きく、広卵形。茎・葉に悪臭がある」とあり、「茎・葉に悪臭がある」ことから来ているのであろう。本種はクサギの仲間。
ゲンペイクサギに似ているが、花は鮮紅、または濃桃色。ゲンペイクサギに比べると顎片が小さく花冠が大きいため、紅色が目立つ。で、ベニゲンペイカズラという名。
開花期は周年。陽光地、砂質土壌を好む。フェンスに絡ませたりして楽しめるが、剪定を繰り返して潅木状にもできる。ゲンペイクサギより葉もいくぶん大きめ。
学名は、
本種Clerodendrum splendens G.Don.
ゲンペイクサギ(源平臭木)Clerodendrum thomsoniae
ベニガククサギ(紅萼臭木)Clerodendrum × speciosum Dombr.
記:島乃ガジ丸 2017.5.23 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
昼休み、別のクラスの友人を訪ねた鶴野くん、教室を覗いて、
「神田、居る?」と訊いた。
「さっき出ていったけど、昼飯まだだし、すぐ戻るだろ。」と別の友人が応える。鶴野くんは「トイレかな?」と思ってトイレへ行って探したが、神田くんはいなかった。少し遠回りして5分ほども経った頃、再び神田くんのクラスへ行き、訊いた。
「居る?神田。」
以上のどうでもいい話は落語で言うまくらのつもり。昨年(2016年)、3月の中頃からだったか、「イルカンダが数年ぶりに開花しました」といった内容の、植物園かどこかのコマーシャルがラジオから聞こえてきた。「そうか、イルカンダの花が開くのは珍しいのか。」と思いながら、ふと、「あっ、もしかしたらあれ?」と思い出した。
その前年の4月頃、畑の向かいの森に入った際、面白い形をした莢を見つけ写真を撮った。図鑑を調べ、「もしかしたらこれ」と思っていたツル植物があったのだ。「もしかしたらあれ」と思い出して早速、畑の向かいの森へ入って確かめたら、そのツル植物は「おー、何とまあ見事に!」と、思わず声が出るほどに、多くの花を咲かせていた。
イルカンダ、わざわざヤンバルまで出かけなくても、西原町でも咲いていた。
今年(2017年)もまた、イルカンダの花の季節となった。4月2日、それを確認しに向かいの森に入った。しかし、そこにイルカンダはなかった。花だけでなく長く伸びていた蔓枝もなかった。根元を見に行くと、イルカンダは根元近くから切られていた。おそらく、墓掃除の際に草刈をしていて、草刈機で切ってしまったものと思われる。
去年の根元
切られた根元
クズモダマ(葛藻玉):パーゴラ
マメ科の常緑蔓性木本 原産分布は南西諸島、台湾、インド 方言名:イルカンダ
参考文献の多くにイルカンダという名前しかなく、クズモダマという名前は『やんばる樹木観察図鑑』で知った。クズモダマという名前の由来は不明。漢字表記も私の想像によるもの。葛は「マメ科の大形蔓性の多年草。葉腋に花穂をつけ、紫紅色の蝶形花を総状に咲かせ」(広辞苑)、藻玉は「マメ科の蔓性木本。沖縄・小笠原・台湾などに自生。花は淡紅色で、早春開き、長さ1メートルに及ぶ莢を生ずる」(同)で、「紫紅色の蝶形花を総状に咲かせ」から葛、大きな莢から藻玉ではないかと・・・。
それまでそれが和名でもあると思っていたイルカンダは沖縄語で色蔓という意。花の色が独特な蔓植物という意であると思われる。別名にウジルカンダともあったが、これについては不明。ちなみに、ウジルには怖がるという意がある。
巻きつる型で、蔓の長さが5~10mにもなる大型のツル植物。葉は3出複葉で、小葉は長さ10センチほど掌状。長さ30センチほどの花序がフジのように垂れ下がり、1房に多くの花を着ける。花は赤紫色、部分的に緑色をしており異臭がある。開花期は3月から4月。莢は長さ20~50センチで、種子と種子の間がくびれて串団子状になる。
花
莢
落ちた花
記:島乃ガジ丸 2017.5.6 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行