耳?がある
森の哲学者とか形容されるフクロウであるが、これまで私が紹介してきたフクロウ科の鳥はアオバズクと先日のリュウキュウコノハズクで、3種目の今回はリュウキュウオオコノハズクとなる。いずれも名の後尾にズクが付き、いずれもミミズクの類である。
ちなみに、フクロウとミミズクを辞書で引くと、
ふくろう(梟)はその名の種もいるが、その第2義に「フクロウ目フクロウ科の鳥の総称で、一般に耳状の羽毛をもたないものをフクロウ」(明鏡国語辞典)とあり、みみずく(木菟)は「フクロウ科の鳥のうち、頭に耳のように見える羽毛をもつものの総称」のこと。「頭に耳のように見える羽毛」について、鳥については(も)素人の私(何について玄人なんだオメェは?と自己突っ込み)だが何となくイメージはあった。
前(2018年12月31日)に紹介したリュウキュウコノハズク、その頁に載せた画像は2010年8月に「本部博物館」見学をした際に撮った剥製の写真。
使っていたパソコンが壊れ、外付けハードに残っていたデータを整理をしている時に本部博物館の、多くの写真を含む画像フォルダに気付いたのだが、それからさらに約2年後の2012年6月、東村の「山と水の生活博物館」に寄った際、そこにもヤンバルの動物たちの剥製が多く展示されていて、そこでも私はたくさんの写真も撮っていた。外付けハードの中に「山と水の生活博物館」フォルダを見つけ、多くの写真に気付いた。
リュウキュウコノハズクと、先日剥製の写真を追加したアオバズクも本部博物館で撮ったものだが、いずれも「頭に耳のように見える羽毛」は無かった。そして、今回紹介するリュウキュウオオコノハズクの剥製の写真は「山と水の生活博物館」にあったもの。
「おー、これだぜ耳って」とはっきり認識できる耳のような羽毛がついていた。
ちなみに、私は夜の森に出かける元気が無いので、生きているフクロウの類の写真は撮れそうもない。ということで、紹介する画像は今回も剥製の姿。
リュウキュウオオコノハズク(琉球大木の葉木菟):フクロウ目の留鳥
フクロウ科の留鳥 琉球列島に留鳥として分布 方言名:チクク
名前の由来は資料が無く正確には不明だが、木菟はミミズクと読み「フクロウ科の鳥のうち、頭に耳のように見える羽毛をもつものの総称」(明鏡国語辞典)とのこと。コノハズクは同辞書に木葉木菟と漢字表記され「森林にすむフクロウ科の鳥。日本では最小のミミズクで・・・」とのこと。オオコノハズクはコノハズク(全長20センチ)より大きい(25センチ程)のでオオ(大)となる。本種は琉球列島に生息するので琉球とつく。
オオコノハズクは日本全土に留鳥として分布し、上述の通りコノハズクより大きく、尾は短く、耳羽は直立して長いとのこと。体は全体に灰褐色で複雑な斑紋があり、後頭部には灰黄褐色の首輪があり、目は赤く(コノハズクは黄色)光って見えるとのこと。
沖縄に住むのはリュウキュウオオコノハズクで、オオコノハズクとは亜種関係。リュウキュウオオコノハズクはオオコノハズクに比べ少し小さく、体は赤褐色味が強く、足指に羽毛が無いのが特徴とのこと。山地の森林に住み、夜行性で樹胴に巣を作る。鳴き声はポッ、ポッ、ポッ、またはホッ、ホッ、ホッとのこと。ちなみに学名は、
オオコノハズク Otus lempili semitorques
リュウキュウオオコノハズク Otus lempili pryeri
記:2019.1.12 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
冬の海で餌を狙うサギ 白いけどたぶんクロサギ
先日、海岸散策で遭遇。コサギに似るが足指が黄色くないのでたぶんクロサギ。
300坪の畑を借りて本格的農夫を始めたのは2012年夏、草刈りも耕すのも全て手作業、それから2年も経った頃には腰に痛みを感じていた。「この腰痛、もしかしたらヤバイかも」と思ったのは去年(2017年)の8月、そして、そう心配した通りに11月には「こりゃイカン、ダメだ、畑できない、農夫やめよう」となってしまった。
当初は、腰痛そのものの痛みによる苛立ちや不安よりも農夫ができなくなったというショック、食物を得られなくなったというショック、「俺はただの穀潰しじゃ無ぇか」という自己卑下と自信喪失によるショックが大きく、生きる元気までも失っていた。
元気がなくなると体重が急激に落ちていく。酒は飲んでいたが、おそらく食事の量は減っていた。料理する気力は何とかあったが、それを食べる気力が弱っていたのだろう。
2000年頃まで70キロあった体重を、食事制限と運動(筋トレとか散歩)をすることで減らしていき、10年後の2011年には60キロを切り、その後しばらく56~58キロで推移していた。その体重が自分にとっては適正体重で、体調は良かった。
しかし、強い腰痛を感じた2017年6月に56キロを切り初め、2018年1月には52キロ台にまで落ちた。「こりゃイカン、痩せ過ぎだ」と食べる量を増やし、3月、現住所に引っ越してから元気も戻って、4月には56~58キロの適正体重に戻った。
300坪の畑を始めた2012年夏から畑仕事に追われて散歩する機会がぐんと減ってしまったが、それ以前は1時間以上の散歩をほぼ毎週末やっていて、時には3~4時間の散歩もあった。その頃、私は元気だった。血圧が時々高くなることはあったが、それも140台で、昔言われていた「正常血圧は年齢プラス90」という数値内であった。便秘は全くなく、下痢も滅多になく、程よい硬さと色の快便が毎朝続いていた。酒も旨けりゃ飯も旨いという快食でもあり、毎晩、7~8時間はぐっすりの快眠でもあった。
体が健康だと悪いこともあまり思わない。誰かを憎んだり恨んだりすることもない。降りかかる火の粉は払っていたが、そういうのも淡々とやっていた。心身の調子がいいと他人のことなど気にすることもあまり無かったのだと思われる。
快食快便は概ね続いているが、腰痛で気が滅入った頃から快眠が無くなっていた。それもしかし、体重が増えると共に、去年10月からは概ね快眠となっている。腰痛のせいで天を恨むことがたまにあるが、快眠のお陰で心はのんびり穏やかに過ごせている。
2016年の12月、畑の近くに引っ越した。新居は畑へ歩いて通える場所にあり、車だと5分くらいで行ける。当初はのんびり歩いて通勤しようと予定していたが、畑仕事が間に合わなくてのんびりができなくなった。夜明けには出勤し、家に帰って昼飯食って昼寝して、再び出勤し夕方まで働く、1日10時間労働もしばしばあった。そんな働き過ぎが災いして腰痛になった。のかもしれないが、もう1つ理由があると私は考える。
新居の大家さんは隣に住んでいて、たびたび私の部屋のドアをノックした。用事はたいてい「これ食べて」という親切であった。差し入れは有難いのだが、昼寝している時起こされる、夜、疲れている時に立たされる、それが次第に私の負担になり、「煩ぇ、疲れているんだよこっちは!」と心が思い、いつか大家さんを憎むようになった。人を憎む、私の心は歪んでいたであろう。その歪みが腰痛を引き起こしたのかもしれない。
記:2019.1.11 島乃ガジ丸
ワインにピッタシ
年末27日に大学時代の友人、小豆島からOTが、埼玉からKRが沖縄にやってきた。「遠方より友きたる、楽しからずや」なのだが、腰痛のため長時間の車の運転に不安があり、空港に迎えに行ったりホテルまで送ったり、観光案内したりが私は面倒。30日のお昼過ぎに2人と会って、近場の「浦添ようどれ」という観光地に案内して、我が住まいに案内して数時間の会話を楽しんで、2人を駅まで送ってその後は放っておく。
そしてやっと正月2日、同じく大学時代の友人で沖縄在のKYを加えてその3人を我が住まいに招待し、午後3時頃から昼飲み会をし、たっぷり昔話をした。
OTとKRは「お腹が苦しくなるまで食べる」という意味不明の大食いである。今回の旅でもそれまで食べ放題飲み放題の店へ行って「お腹が苦しくなるまで食べる」ということを既に数回経験してきたとのこと。なので、その日、4人の待ち合わせ場所としたスーパーで飲み物食い物の質と量の選択は2人に任せることにした。その結果、意外なことに2人はお節料理の大皿セットの他は豆菓子などの乾きものを2袋選んだだけ。
「ん?それで大丈夫?全然足りないんじゃないの?」と念のために尋ねると「これまでだいぶ食い過ぎてきたから」とのお答え。「おー、さすがに大食いを反省したか」と私は2人を見直した。「だぜ、もう若くはないぜ、食い過ぎは体に毒だぜ」と思う。
我が家に着いて、酒を飲み、昔話のあれこれを懐かしみ、お節をつまむ。ビールを飲みワインを飲み、小豆島のOTが事前に私へ送ってあったオリーブ塩漬けをつまむ。ウィスキーを飲み泡盛を飲み、乾きものの袋を開けそれもつまむ。さらに、私がストックしてあった煎餅や黒糖もつまむ。チーズを食いウミブドウを食った。私の部屋の食物がほぼ消えた。「そんなに食うのなら最初にもっと買っとけよ」と思ったのであった。
さてさて、小豆島といえば『二十四の瞳』の次にオリーブが思い浮かぶくらい、オリーブの有名な産地である。OTが送ってくれたオリーブの塩漬けは2袋あり、その内の1袋は既に1人で3回に分けて完食している。3回ともワインの肴、美味であった。OTとKRが年末年始に来沖することは数か月前から決まっており、年始のいつかにKYを加え我が住まいで昼飲みするということもだいぶ前に決まっていた。で、私は美味のオリーブ塩漬けをKRとKYにも食べてもらいたいと1袋は残してあったのである。
オリーブ塩漬けはKRとKYにも大好評であった。KRもたくさん食べたが、最も多く食べたのは送った本人のOT、地元の人間が「これには目が無い」と言わんばかりに食べた。それほど美味であるという証拠であろう。旨くて高級な酒の肴である。
記:2019.1.6 ガジ丸 →沖縄の飲食目次
今住んでいるアパートの1階にはちょっとした庭がある。ブーゲンビリア、ゴクラクチョウカ、ヤブランなどが植えられているが、面積の過半は雑草に占められている。どんな雑草だったかもうあまり覚えていないが、ヤブカラシ、ジュズサンゴなどがあった。
ブーゲンビリアをバッサリ剪定し、広がっていたゴクラクチョウカをゴッソリ引き抜いて、その占めていた面積を四分の一ほどにし、蔓延っていたヤブランの全てを引っこ抜いて、数株だけを別の場所に移し、雑草のほとんどを引き抜いた。
そうして去年10月、アパートの庭には空間が多くできた。そこに数種の花の種を播き苗を植え、野菜の種を播き苗を植えた。苗はクミスクチン、ローゼル、インゲン2株。クミスクチンとインゲンは元気に育ち花を多くつけ、インゲン2株からはもう既に8本ほど収穫している。種はソラマメの他、花の苗を4種ほど植えたが、野菜のソラマメは育っているが、花4種の内咲いたのはアリッサムだけ。4種とも秋播き春咲きであったが、他の3種はその通りの予定なのかもしれない。アリッサムだけは気温に敏感で、例年に無く暖かかった去年の沖縄の秋、「おっ、温いじゃねーか」と咲いたのかもしれない。
アリッサムは種袋にそう名前が書かれてあったのでそういう名前だと知ったが、文献を調べると「ニワナズナ」という可愛い和名があることを知った。
ニワナズナ(庭薺):花壇・鉢花
庭薺 アブラナ科の一年草 方言名:不詳
名前の由来は資料が無く詳しくは不明。ナズナの漢字表記の薺は広辞苑による。ナズナは同じアブラナ科の一年草で「高さは10~40センチほどになる。根生葉の中央から茎を伸ばし、その上部に花をつけ、花後は莢が段々につく。花は白色、沖縄での開花期は3~4月。春の七種(七草とも書く)の一つで若芽を食用とする。」のこと。
本種はナズナの仲間だが、野原に生え雑草扱いされるナズナより上質(と誰が思ったか知らないが?)ということでニワ(庭)と付いたのだと思われる。
開花期、本土では秋に種を播いて春3~6月開花、春に種を播いて秋9~10月に開花とのことだが、沖縄では、少なくとも私の経験では10月中旬に播いて11月下旬に開花した。種袋には3~4月に播いて5~6月開花、10月に撒いて3~5月に開花とある。今年の沖縄の秋は暖かかったので、春と勘違いして播いてすぐ咲いたのかもしれない。
別名スイートアリッサム・・・というか、文献ではスイートアリッサムが代表名となっていて、別名としてアリッサム、ニワナズナとなっている。
別種
記:島乃ガジ丸 2019.1.11 →沖縄の草木目次
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
『ネイチャーガイド琉球の樹木』大川智史、林将之著、株式会社文一総合出版