偽装魚の実態シリーズ 赤身魚の偽装 真旗魚(まかじき)
偽装魚名 アカマンボウ・着色したメカジキ
真旗魚の偽ネタはアカマンボウや身肉が白いメカジキに着色
高級魚なので高級寿司店や料亭だけしか供されない
■回転寿司の真旗魚は身肉が白いメカジキを赤く着色したもの
日本近海には、マカジキ・メカジキなど6~7種ぐらい回遊しています。中でも真旗魚は赤みが強く、しつこさがない上品な美味しさから寿司ネタや刺身にされます。そのため値段が高く、主に高級寿司店や料亭で供されます。この言葉を聞いただけで、回転寿司店では真旗魚が出される訳もなく「偽装魚ネタ」です。
回転寿司店では、メカジキが使われます。メカジキは、普通、照り焼きや味噌漬けにして食べます。メカジキなら同類で仕方ないと思いきや、問題はメカジキは身肉が白いために、発ガン性・アレルギー性がある着色料の赤色102号で色付けされていることが多いのです。当然、生物(なまもの)には着色料は禁止されていても、鮪(まぐろ)を始め見た目を良くするために違法な使用が跡を絶ちません。
もう1つは、ハッキリ「偽装魚」と言える赤身の大型魚・アカマンボウが使われることです。アカマンボウは、ネギトロの赤身にも使われる便利な魚です。従って回転寿司店では、真旗魚はニセモノと判断し食べないことです。メカジキなど、カジキ類は鮪と同様に食物連鎖の上位にあります。真旗魚は滅多に食べられないので心配いりませんが、ダイオキシンやメチル水銀が多いのです。妊娠女性を始め、あまり食べ過ぎないことです。
■かつて米国ではスポーツフィッシングの後は捨てていた
カジキ(旗魚・舵木)は、上顎が槍のように長く伸び精悍な感じがします。カジキマグロと呼ばれても、鮪の種類ではありません。カジキの語源はいくつかあり、船の舵(かじ)を突き通すほど威力があることから舵木通しに由来、あるいは旗のように見えるなどです。大海原をジャンプする姿は、映画・TV等でご存じの通りです。米国を始め近年日本でも、スポーツフィッシングとして人気があります(米国の場合はクロカジキ)。
日本人から見れば貴重品のカジキも鮪(まぐろ)も、かつての米国人は釣り上げた(記念写真を撮影)後は無造作に捨てていました。そこに目を付けたのが現地の日本人で、今日の輸入鮪の発祥です。私はお金持ちではないのでカジキと言えば、昔読んだヘミングウェーの「老人と海」ですかね。数日間、小さな船の上で掛かったカジキと格闘するストーリーです。
米国ではカジキは身近で、大リーグの名称にもなっており、マーリンズはカジキ(Marlin)のことです。余談で、千葉ロッテマリーンズ(Marine)と意味は別です。
アカマンボウのはくせい写真が、開発調査センターのサイトからご覧になれます。
「開発魚・偽装魚を見よう」のご案内ページの説明に沿ってリンクして下さい。
■本物・真旗魚のミニ情報/橙色の身肉はサラっとした味わい
本物の真旗魚は、太平洋・インド洋の暖海で成熟し、4mを越えることもあります。背面が黒紫青色、腹部は銀白色、体側はコバルト色の縦帯がある美しい魚です。日本近海には春から秋、そして秋から冬に南下する大型の回遊魚です。
赤みがかった橙色の身肉は、サラッとした味わいで最後に旨みが残ります。鮪と違い色変わりしにくい身質なので、店では重宝がられます。厚めの短冊に切った真旗魚の握りは、雰囲気もよく食通に人気があります。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。