魚を大事にしない日本人シリーズ R1-16
ROUND1 江戸前から繋がる世界の海 Part3豊洲新市場の危険性(移転すべきではない)
築地からの市場移転3条件・移転候補地5か所は「豊洲ありき」の下に設定された
豊洲エリアの夜景
■5つの候補地は晴海・豊洲・有明北・IHI豊洲工場・中央防波堤だった
既に豊洲市場への移転決定・促進が図られているのに、今さら候補地選定の過程を見ても仕方ないと言われるかもしれません。むしろ過去の選考過程を見ることによって、豊洲に決定されたことが極めて不自然・いかがわしいことが浮き彫りになってきます。詳しく説明します。築地の老朽化から、都は「移転先の条件」として3項目が提示されました。後から見れば、「豊洲ありき」で設けられたとしか言えない条件でした。
① 40haのまとまった用地が確保できること
② 都心部の周辺で交通条件の良好な位置にあること
③ 築地の商圏に近くて継続性が保てる位置にあること~でした。
その結果、晴海・豊洲・有明北・IHI 豊洲工場跡・中央防波堤の5か所が候補地にあげられたのです。下記の選考評価(略)は、都によるものです。では見ていきましょう *は投稿者の補足です
▽晴海 30ha 国際展示場跡地 *この場所に市場が移転しなかった結果、今後、五輪選手村に
選考評価/清掃工場があり、敷地がL字型で使いにくい
▽豊洲 40ha 東京ガス跡地
選考評価/3条件に沿う *因みに築地市場23ha
▽有明北 30ha 豊洲の南側・有明テニスの森公園の北側 有明貯木場跡埋立地
選定評価/当時は埋め立て工事中 *現時点では完成済
▽IHI 豊洲工場跡地 10ha 現ららぽーと
選定評価/10haでは狭い
*元々の敷地は50haだが既に他の開発計画が進行し可能範囲は上記ha分のみ
▽中央防波堤内側 195ha *この場所に市場が移転しなかった結果、五輪カヌー・ボート会場に
選定評価/築地から遠く不便・交通機関がない
■強引な豊洲移転の裏側には利権確保・癒着・賄賂性がある
このような選考評価の上、豊洲が決定したのです。しかし大きなカラクリがあり、従前、豊洲は有害物質の危険が指摘されていたにも関わらず、移転条件に「安全・安心」の項目が抜け落ちていました。仮に条件4として「食料品を扱うため安全・安心が確保できること」が入っていれば、豊洲は真っ先に落選していたのです。専門家は、石原都知事と都が「豊洲ありき」のストーリーを描き、あえて“安全・安心”項目を排除したと言い切ります。当時から豊洲の有害物質と対比する形で「食の安全」が叫ばれていたのに、石原知事は完全に無視しました。また有明北は一応の土壌完成の時期が分かっていたのに、「完成目途立たず」の口実を作り同じく排除しました。豊洲の土壌以上に、知事・都役人の「心の汚染」のほうが酷いようです。もちろんベストは築地(次項)ですが、私個人が5候補地の中から選ぶなら、豊洲より多少遠くなっても「有明北」と判断します。
築地の取扱量は1989年・約80万トンから、2016年は約40万トンに半減しているのです。産直品など物流の変化、消費者の水産品摂取量が減り続けているからです。にも関わらず都は、取扱量は1.4倍に伸びるとして、築地敷地面積23haに対し倍近い40haの条件設定しました。候補地選定条件の「40ha」は、豊洲しかないことを念頭に出されたものです。これだけを見ても、ミエミエです。他の官庁物件の「ハコモノ」と同じように、現実とは掛け離れた需要予測を行い大規模化し、建設業者を喜ばせ見返りを求める手法です。結果、無駄な過剰巨大施設になる恐れが容易に想定されます。投稿者として石原知事・都の必要以上の建設時期の急がせ方、6,000億円を超える過剰施設、有害地・東京ガス跡地の意図的購入は、自民党・経済界等を巻き込んだ利権確保・癒着・賄賂性があると判断します。投稿者は毎回書くように、市場は築地残留の上、根本的な大改装することです。
前号/豊洲土壌無害化の約束を破り安全が確保されないまま強引に移転が決まった