魚を大事にしない日本人シリーズ R5-22
ROUND5 魚を食べる時に思った疑問
生食用カキと加熱用のカキは牡蠣でもどこが違うのでしょうか?
牡蠣の特徴を活かしフライや鍋料理には加熱用カキのほうが美味い
生で食べる牡蠣、フライや鍋で食べる牡蠣、どちらも美味しいですね。生食用の牡蠣は美味しいからといって、フライや鍋でも使う方がいます。あるいは生食用カキと加熱用カキは、鮮度の違いと思っている方もいます。では何が違うと言えば、食品衛生法の規格基準に沿うものが「生食用カキ」、それ以外が「加熱用カキ」です。例えば牡蠣を採取した海域、牡蠣を浄化した海水の大腸菌数・細菌数が基準以下、10℃以下で保存するなどに合致したものが「生食用カキ」です。
牡蠣は、1日300リットルもの海水を吸い込みます。海水に含まれる様々な成分を吸収し、成長しています。河口など湾や沿岸の方が栄養分やプランクトンが多いので、味も濃く美味しく栄養分を豊富に含んでいます。しかし保健所等の水質検査によって、菌や成分が規定以上検出された場合は「加熱用」とされるのです。水質の良い沖合で育てれば基準値はクリアしても、当然、旨味成分や栄養成分も減少してしまう訳です。
また生食用は滅菌洗浄を行うため2~3日間、言わば断食を強いられるので、身が痩せて水っぽくなることがあります。従って調理に合わせて、牡蠣を選ぶことです。生牡蠣の独特な喉越しは何とも言えないので、その場合は「生食用」。牡蠣自体の味は、加熱用の方が摂取した養分が多いので味が濃く美味しいとも言われています。そのため、カキフライや鍋にするなら「加熱用」です。なお加熱用カキは、菌などが基準外でも加熱すれば全く問題ありません。但し加熱用を、生では絶対に食べないで下さい。