ギャラリー柳水(りゅうすい) 日々のよもやま

40年以上を陶磁器とともに過ごしてきました。
見て美しく使って楽しい陶磁器の世界をご紹介いたします。

春峰(しゅんぽう)さん

2020年06月08日 | 日記
趣味に走ると、身のまわりがごつごつした陶器で固められ、息が苦しい。
そんなときに磁器を出してみる。
手のひらにのるサイズのかわいらしいものだ。
戦前の年号を書いた紙箱に無造作に入れられている。
裏には「平安 春峰」 とあるから、初代の井上春峰(1896 ~ 1965)の作品
ずっと京都の人かと思っていたが、調べると愛知県の瀬戸市生まれとある。
京都に住まいを移し、煎茶道で身を興した。現在は3代目
膨らんだ胴の部分はわずか6センチくらいしかないが、
そこに梅・竹・蘭・菊の四君子の植物模様が手描きされている。
湾曲した面にこうした自然な感じの植物を描くまでには
けっこうな修練の年月を重ねていると思われる。
赤・黄・青・緑の四色が派手すぎず、目に心地よい。

絵の調子がよいので、なんとなく使いそびれたまま、棚の中に置いてある。
あったところでどうというわけではないが、
あるというだけで豊かな心持ちになれる一品









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