去る4日、長妻厚生労働相は、格差問題解決に本格的に取り組むため国民の「貧困率」を政府として調査すると発表しました。
特に貧困状態で生活する子供の割合を示す「子供の貧困率」の調査をも指示したそうです。
現在、政府が公式に示しているデータはなく、民主党がマニフエストに貧困実施調査を実施し、それに基づいた対策を講ずると明記していました。
では、その「貧困率」ってどんなものなのでしょうか?
貧困率は、「絶対的貧困率」と「相対的貧困率」とに大別されるようです。
「絶対的貧困率」とは・・・・
その国や地域で生活していける最低水準を下回る収入しか得られない国民が全国民に占める割合のこと。
「相対的貧困率」とは・・・・
国民の経済格差を表す指標で「年収が全国民の収入の中央値の半分しか満たない国民の割合」のこと。
絶対的・・・の方が実状を反映しやすいという特徴がありますが、「生活していける水準」の設定によって様々な基準が出来、設定者の主観が入りやすいという欠点があり、相対的・・・は、国によって「貧困」のレベルが大きく異なってしまうという欠点があります。
つまり、ある国では貧困であっても、貧困の人が多い国に住む人々よりもずっと豊かな暮らしをしているということにもなります。
2005年 OECD(経済協力開発機構)資料による
2008年の国民生活基礎調査では、日本の一世帯当たり年間所得の中央値(448万円)の半分(224万円)以下が相対的貧困率の対象となり、その割合は18.5%だったそうです。
また、OECDの最新のデータ(2000年)によれば、日本の貧困率は13.5%で、アメリカの13,7%に次いで2番目に格差が大きかったそうです。
ちなみに、OECD加盟国の平均は8.4%で、西欧諸国の大半は、10%以下だそうです。
相対的貧困率は、1980年代半ばから上昇しているそうです。
原因として「高齢化」や「単身世帯の増加」、それに加えて「勤労者層の格差拡大」が挙げられています。
今日の絵は、”猫のくろちゃん”F8号
なぜ、日本の貧困率が高いのでしょうか?
所得の平均値ではなく、中央値で算出しているところがミソなのです。
つまり、飛びぬけて所得の多い人が少ない人数でも、中央値は、単純に高くなるのです。
どちらにしても、日本は、貧困率が高い国であり、貧しい国なのです。
このことを、自覚しなくてはならないのですが、貧困率は、あまり実情に合っていないのかもしれません。
所得分配の不平等さを測る指標に「ジニ係数」というのもありますが、この指標も同じようなことが、言えると思います。
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