弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

君が代起立命令は合憲 最高裁判断

2011年05月31日 | ひろみ塾・法律編

卒業式での国歌斉唱時の起立を命じた高校校長の職務命令について、
最高裁は30日、合憲と判断しました。

私にいわせると当然のことです。

なお、
「他国の国旗、国歌に対して敬意をもって接するという国際常識を身に付けるためにも、
まず自分の国の国旗、国歌に対する敬意が必要」とする
補足意見があったということですが、
私には本末転倒のように思います。

国旗や国歌は国を象徴するものです。
それに敬意を払うというのは、自分たちの国に誇りをもつということです。
国や国民に誇りを持っているからこそ、その象徴である国旗、国歌にも
おのずから敬意を持つのです。
自分自身がそういう気持ちだからこそ、外国や外国の人たちも自分や
自分たちの国に誇りを持っていることに共感できる尊重できるわけです。
そしてそういう気持ちを他国の国旗や国歌に対する敬意という形で
表すのです。

ただ、この補足意見の言わんとすることもわかります。
他の国の人たちは自分の国に誇りを持っているのです。
ところが日本人は、そういうものを持っていない、つまり国際常識に
外れていると認めているのです。

こういうことが起こったのは戦後の日教組教育によるものです。
今の民主党の左よりの人は、そういう人が多いのです。

当たり前のことが当たり前と認められて兎に角、一安心です。

だた、本当のことをいえば、当たり前のことが最高裁まで争われる
というような無駄なエネルギーを使わなくてもいい社会であるべきだと
考えます。

 


IMF専務理事の保釈の条件

2011年05月21日 | ひろみ塾・法律編

IMF専務理理事ストラスカーン氏の保釈が認められました。

条件はつぎのとおりです。
100万ドルの保釈金は現金で。
プラス500万ドルの保証(同氏の不動産を担保)
妻名義のアパート(マンハッタン所在)に軟禁
24時間の武装監視(毎月20万ドルの費用は本人負担)
電波モニタータグを足につける
部屋に監視ビデオをつける
玄関にアラームをとりつける
旅券、国連の書類の提出

ということです。
これじゃ、刑務所にいるのとほとんど同じですね。

裁判官は、同氏が国外に脱出するのを恐れているのです。
彼の財力や人脈などをみると、その可能性は高いということです。
フランスに帰ってしまうと、フランスは引き渡しに応じないだろうと見ているのです。
本人が裁判所に認めたところによると、アメリカだけで7ケタの預金があるということです
(低い数字というこですから100万とか200万ドルなのでしょうか)。
また、大陪審(起訴するかどうかを決める)は7つの訴因全部で起訴を決めており、
同氏は現段階では否認。
アメリカはこの種の性犯罪には厳しい。
同氏には前科がないこと。
こういったことが考慮されての条件です。

随分厳しいです。日本じゃ考えられないですが、
世界には大変な権力を持った大富豪がいるのだと、次元の違いを感じます。

否認といっても、事実がないという争い方と、合意があったという争い方があります。
最終的には、合意があったという争い方になるのでしょうか。
また、大きな金が動いて取引があるのではないかと思います。

なお、同氏の女癖の悪さは公知の事実のようです。
2007年にIMFの職員との間で問題があったということですが、
合意によるものだということで2008年に問題なしで決着したということです。
今回のことがあって、重大な判断間違いをしたということをIMFも認めたとのことですが、
こういう決着はよくあることです。
いつも、力と地位のある男が守られるというパターンです。

6月6日に罪状認否が行われる予定です。
ウオッチングしたいと思います。

 


IMF専務理事の保釈

2011年05月20日 | ひろみ塾・法律編

国際通貨基金(IMF)専務理事のストロスカーン氏が
性的暴行容疑で逮捕され、
100万ドルの保釈金を提示しましたが、
結局、ニューヨークの裁判官は保釈を認めませんでした。
(国外に出る恐れがあるということのようです)

現在、大陪審で起訴するかどうかを審理しているようですが、
ストロスカーン氏は再度、保釈請求をするとのことです。

今度は100万ドルのほかに電波発信装置、住所を娘のニューヨークの住まいと
することを提示する予定とのことです。
あわせて、IMFには辞任の申出をしたということです。

これで、思い出しました。
ウィキリークスのアサンジ氏の保釈が認められたのは同じような条件でしたね。

アメリカとイギリスと国は違いますが、
イギリスとアメリカは兄弟国ですし、同じ英米法の国ですから、
それほど大きな違いがあるとは思いません。

ただし、問題は犯罪事実について、どのような認否をしているかです。
最初の保釈請求では争っていたということです。
また、現在は、被害者が大陪審で証言しているということですが、
この審理の進行状況にもよると思います。

注目したいです。


米裁判所:子ども連れ帰り 日本人の元妻に4億8900万円賠償命令

2011年05月11日 | ひろみ塾・法律編

離婚した日本人妻がアメリカから連れ帰ったこども二人を取り戻そうとして
未成年者略取容疑で福岡県警に逮捕されるなどした
アメリカ人のクリストファー・サボイ氏は
損害賠償請求訴訟をテネシー州で起こしていたようで、その判決が9日あり、
元妻に610万ドル(約4億8900万円)の支払を命じたということです。

離婚後の親権についての日米の法律制度の違いから
子供の取り戻しの強制は難しいと判断し、
損害賠償という民事的手段をとることにしたのだと思います。

もちろん、アメリカの判決を日本で強制執行するためには、別途日本で
執行判決というものをとらなくてはなりません。
日本の公序良俗に違反しないかなどの判断がなされますので、
どうなるかはわかりませんが、
ハードルが低くなったことは間違いありません。

アメリカの記事をみると
610万ドルの内訳は、100万ドルは違反に対する損害賠償、
110万ドルは子供を連れ去ったことについての2009年8月からこれまでの分、
今後子供を連れ戻すまで1日ごとに最高限度400万ドルまで
というものです。
1日あたりの金額は記事にはありませんでしたが、2009年8月から2011年5月まで
(22か月)が110万ドルですから、おおざっぱに計算すると、1日あたり1600~1700ドル
(約13万円程度)くらいでしょうか。
また、この判決は欠席判決だったと思われます。

外国判決の執行判決訴訟については、私自身も代理人をしたことがありますが、
双方の考え方の違いから、少なくとも、このような金額にはならないと思いますが、
無効になるとは思われません。

サボイ氏は日本にも代理人がいるようですし、
そもそも金額の問題ではなく、前に進むための手段と考えているということなので、
何らかの話し合い解決を期待しているようです。

今の状態で言い訳はありませんので、しかるべき解決ができればと、
他人ごとながら期待しています。

国際結婚をめぐる親権問題の解決に新しい道筋をみつける糸口にしてほしいと
思います。

 


法律相談の上手な受け方

2011年04月22日 | ひろみ塾・法律編

弁護士等に法律相談をするのは、自分自身の置かれた法律的な
立場の確認と
対応についてではないだろうか。

あるいは、どう対応すべきかだけかもしれません。

もちろん、何もする必要がないということも含みます。

私は、必ず、なすべき次の一手について、ご提案、あるいはアドバイスを
するようにしています。

ということで、ときどき、どうなったかについて報告のような連絡を
受けることがあります。
それだけ、真剣にお聞きいただいたのだと思います。

今日もそういうご報告が2つありました。
適切なアドバイスができたていたということと、ご本人もアドバイスを
正確にご理解されたことが、確認できました。

こういうフォローアップをいただくことは、次のご相談に直ちに生かすことが
できるので、本当にありがたいです。

裁判官も判決後のフォローアップができると、誤判や冤罪の防止につながると
思います。