朝新聞を取りに出ると、キジシロが寝ていた。
おや、ひさしぶり。
元気だったかい?
元気ではなかった。
死んでいた。
かわいそうな子だったよな。
餌をもらいに来るけれど、甘え方を知らない。
わけもわからず子供を産んで、そのまま死なせてしまう。
いつも孤独だったんだ。
それでも最期にやさしいおっちゃんを頼りにしてくれた。
雨の中ほとんど穴も掘れないので、猫たちの墓場の隅に置いて、草や木の枝を積み重ねる。
もう餌は出さなくていいみたいだな。
硬直した身体は重かった。
なぜか赤い首輪をしている。
シロに首輪巻いていたのと同じ人かな。
あいつは今どこかで飼われているのかな。
うちに野良猫がまったく来なくなるのはずいぶん久しぶりだ。
今度は鼠が出るのかな。