GetUpEnglish

日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

THE GILDED BAT BY EDWARD GOREY

2020-11-23 08:13:50 | G

 エドワード・ゴーリー(1925-2000)は大好きで、日本では柴田元幸対訳で読めるので、全巻揃えて持っている。

 最新刊は『金箔のコウモリ』The Gilded Bat)。

 エドワード・ゴーリーの残酷さはいつも通りだが、今回はいつも以上にもの悲しさを感じる。

 今日のGetUpEnglishはエドワード・ゴーリーのこの20作目の作品を紹介する。

 次の印象的なフレーズがあった。

She became aware of what real ballet was when Madam took her to one of Sileposkaya’s innumerable farewell performances.

 know what A is, become aware of what A isという言い方はぜ普通に使えるようにしておきたい。

 1984年のForeignerの大ヒット曲 “I Want To Know What Love Is”(邦題はなぜか「アイ・ワナ・ノウ」)のサビの部分は次のとおり。

○Practical Example

 I wanna know what love is

 I want you to show me

 I wanna feel what love is

 I know you can show me

『金箔のコウモリ』にはこの言い方もある。

For the next two years she danced in the provinces.

 provinceは[the ~s] 地方, いなか《英国・カナダ・オーストラリアなどで首都や主要都市から離れた地域》(リーダーズ)。

 次のように使われる。

◎Extra Example

  Many downtown traditional restaurants are frequented by big butter-and-egg men from the provinces.

「都心の由緒ある割烹店には、地方からやって来る大物を常連するところがたくさんある」

 a big butter-and-egg manは「(勢力、経済力を備えた地方の)大物」のこと。「《特に 舞台興行の》パトロン」(リーダーズ)でもあるので、日本の「割烹店」に対して使うのはやや苦しいかもしれない。

 For the next two years she danced in the provinces.と、provincesが複数になっているので注意。英日翻訳ではこのあたりを含んだ表現にすることが必要だ。

 本日紹介した英語表現は柴田元幸が実に見事に訳しているので、ぜひ『金箔のコウモリ』(河出書房新社)をご覧いただきたい。

 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309291123/

金箔のコウモリ

エドワード・ゴーリー 著

柴田 元幸 訳

単行本 B5変形 ● 72ページ

ISBN:978-4-309-29112-3 ● Cコード:0071

発売日:2020.11.05

定価1,430円(本体1,300円)

著名なバレリーナに見出された少女モーディーが、長い修行時代を経て、ヨーロッパに渡り、時代を象徴するバレリーナとなるまでを描く傑作。バレエマニア・ゴーリーによる光と闇の物語。

著者

エドワード・ゴーリー (ゴーリー,E)

1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。邦訳書に『ギャシュリークラムのちびっ子たち』『うろんな客』などがある。2000年没。

柴田 元幸 (シバタ モトユキ)

1954年生まれ。『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン』(上・下)で日本翻訳文化賞を受賞。著書に『翻訳教室』他。訳書に、ポール・オースター『幻影の署』他多数。

 

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