わに塚から道を引き返して武田橋北詰まで戻り、そのまま直進して県道17号線へ左折、七里岩ラインと呼ばれる丘陵地への登り坂をしばらく走りました。右手に高松公園の標識を見て次の辻で左折、上図の韮崎中央公園に入りました。
上図のように、韮崎中央公園には東側、北側、南側に駐車場があります。まずは上図の南側の三ヶ所の駐車場の内、野外ステージに最も近い場所へ車を入れました。次の聖地スポットが、野外ステージの北にある蒸気機関車であったからです。
駐車場からは、蒸気機関車の後姿が見えました。あれがそうか、と車を降りて近づきました。
うわあ、ボロボロだなあ、と思わず声に出してしまいました。野ざらし展示ですから劣化や赤錆が相当進んでいました。
このボロボロの蒸気機関車が、原作コミック第14巻9ページ4コマ目の各務原なでしこのスマホ検索情報に登場しています。志摩リンが「韮崎の方にSLを展示している公園もあった気がする」と教えたので、なでしこが検索したわけです。
作中ではSLの外観も描かれていましたが、ナンバープレートまでは描かれておらず、どの型の蒸気機関車であるかは不明でした。現地で実物を見てC12形だと分かりました。しかも5号機ですから、初期の生産タイプで存在自体が貴重です。
前から見るとボロボロ感があまり目立ちませんでした。というか、前部は応急的に塗り直したような感じがあり、赤錆もありませんでした。
原作コミック第14巻9ページ4コマ目のアングルで撮りました。
こちら側の脇には、ベンチなのか踏み台なのかよくわからない、四角の台がありました。
作中では、この蒸気機関車がある場所は「韮崎藤井公園」となっていますが、それは元ネタのここ韮崎中央公園が韮崎市藤井町に所在するからです。
山梨県下における蒸気機関車の静態保存は、私の知る限りではここ韮崎中央公園を含めて4ヶ所にあります。そのうちの2ヶ所は、昔甲府の歴史観光団体に参加していた時期に見たことがあります。JR清里駅前のC56形と、小淵沢小学校のC56形です。あと1ヶ所は河口湖自動車博物館のはずですが、河口湖自動車博物館へはまだ行った事がありませんので、どのような蒸気機関車かは知りません。
横の案内説明板です。昭和8年製造、昭和45年廃車とあります。戦前戦中戦後を通して37年間働いた蒸気機関車であることが分かります。戦前戦中は北海道で活躍していたとあります。よく働いたんだなあ、と思わず近寄って行って錆だらけの車体を両手で撫でて労いました。
C12形の西側はミニSL広場になっていましたが、土日のみ営業するようで閉まっていました。作中で、各務原なでしこが「ミニSLまで走ってるって・・・どんな公園!?」と驚いていましたが、実際に来てみると、いたって普通の総合公園施設でありました。ただ、規模が広くて陸上競技場とサッカー場があり、地元のプロサッカーチームであるヴァンフォーレ甲府の練習場にもなっているそうです。
つまり、韮崎市をホームタウンとする地元のサッカーチームの練習場なので、観客やファンが大勢行くことによって子供達も集まるわけで、ミニSL広場での乗車アトラクションも、そうした子供たちを対象にして運営されているのだろうな、と思いました。 (続く)