私を含めた模型サークルの面々が、京都駅での待ち合わせ場所にいつも利用しているのが、上図の平安京羅城門の1/10スケール模型です。交流サークル仲間のモケジョさんたちにも「では羅城門で」で通じます。
模型好きとしては、こういう建築模型も眺めていて飽きません。待ち合わせの時間も楽しく過ごせます。
この立派な模型は、平成6年に平安遷都1200年記念事業の一環として製作され、初めは京都駅東側の「ぱるるプラザ」(現在のメルバルク京都)の地階に展示されていましたが、22年後の平成28年11月にいまの京都駅北口広場に移設されました。おかげで、より目につきやすく、多くの人々の目に触れることとなり、再現模型としての価値も高まったようです。
1/10スケールの建築模型というのは、実は国内でもそんなに数がありません。平安京関連の復元模型があちこちにある京都市でも屈指の規模を誇ります。柵に囲まれていますので近づく事は出来ませんが、近づかなくても充分に模型としての出来、迫力を楽しめます。
背後に京都タワーを入れて撮ってみました。これで大体の位置が分かると思います。京都駅北口広場、と呼ばれていますが、実感としては京都駅北東広場、というべき場所です。バスターミナルより東、タクシー待機場の横にあたり、地下鉄の駅よりも東にありますので、京都駅中央改札からの連絡通路で北に降りた場合は、ちょっと東へ移動しなければなりません。
というより、あまり混雑する場所に置くと色々と問題が生じますから、あえて人通りが比較的少ない場所を選んだのではないかと思います。
堂々たる建築模型です。古代建築独特の上昇感も鮮やかな色彩もよく再現されていて雰囲気バッチリです。軍艦や戦車もいいけれど、こういう建築もカッコイイです。模型好きとしては、いつかこういう模型も作ってみたいものだと思いますが、自身の拙い腕では、ウッディジョーの1/100クラスでも持て余すでしょうから、夢のまた夢という気がします。
こういう模型があるかないかで、京都や平安京の歴史に対する理解度が大きく左右されると思います。とくに平安京は今では完全に京都市街の下になっていて遺構の展示もままなりませんから、平安京の史跡巡りも大半は標柱を回るだけという、味気ないものになります。むしろ、こういった模型をもっと作ってもらって、リアルに歴史を追体験出来るようにしてもらったほうが、歴史探訪も楽しくなると思います。
なにしろ、実際の羅城門の場所へ行っても何もありませんし、標柱はあるものの、遺跡もまだ確認されていませんから、現地に立っても虚しい気持ちにさせられます。それよりは、この模型を眺めるほうが、はるかに羅城門を身近に感じられますので、いまでも京都駅を利用する際に時々この建築模型に立ち寄っています。京都歴史散歩の隠れたおすすめスポットの一つだと思っております。