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ゆるキャン△の聖地を行く4 その1  信州伊那谷の光前寺へ

2018年05月30日 | ゆるキャン△

 2018年5月8日より11日までの期間、三泊四日の日程にて、四度目の「ゆるキャン△」聖地巡礼に行ってまいりました。初のマイカー巡礼であり、当初は7日から10日までの計画であったのを、天候不順のために一日ずらして実施しました。

 8日の朝6時きっかりに京都西大路の下宿を出発、国道1号線を東進して教王護国寺の五重塔に一礼し、堀川通、五条通を経て東海道筋を山科に抜け、京都東インターから名神高速に入りました。その後、多賀SA、上図の恵那峡SAにてそれぞれ30分ほど休憩し、中央自動車道の駒ヶ根インターで降りたのは11時7分のことでした。走行移動時間はほぼ4時間でした。

 

 中央自動車道の飯田あたりまで降り続いていた雨も、駒ヶ根で降りる時にはすっかり止みました。雨が降らなければ8日の行程は予定通りにいけるだろう、と考えました。
 まずは休憩を兼ねて、早めの昼食を上図の「明治亭」本店でとりました。駒ヶ根インター出入り口の東約400メートルに位置し、アクセスも容易です。以前にも三度ほど利用したことがありましたので、今回もお世話になりました。

 

 駒ヶ根は、「ゆるキャン△」の志摩リンの食事にも登場した「ソースカツ丼」の発祥地として知られています。実家が岐阜県各務原市ですので、子供の頃は、伊那谷あたりや駒ケ岳は家族で出かける場所の一つでした。もちろん、ソースカツ丼も何度か食べています。

 あと、大学時代の恩師が、飯田市の出身でしたので、南隣の飯田市へも何度か行きましたし、北の高遠や諏訪にも史跡巡りで行ったことが度々です。
 なので、駒ヶ根エリアは、勝手知ったる範囲も同然でした。しかし、今回のようにアニメの聖地巡礼で行くとは思いもよりませんでした。

 

 今回は、上図の海老フライハンバーグ定食をいただきました。ソースカツ丼でも良かったのですが、そちらは志摩リンに倣って温泉施設の食事処で夕方にいただく予定でしたので、昼食は違う品にした次第です。

 

 昼食後、近くの光前寺に行きました。「ゆるキャン△」アニメ第9話にて志摩リンが訪れていた地の一つですが、長野県でも有名な寺院で、天台宗の信濃五山に列する古代からの名刹です。

 原作を読んでいて、3巻第16話にてこの寺が「わんこ寺」として登場したのには面食らいましたが、原作者のあfろ氏が犬が大好きらしいので、犬にまつわるスポットの一つとして出したのかと納得しました。地元でも寺でも、霊犬の早太郎ゆかりの寺、としてアピールしているようです。

 

 門前脇の参拝者駐車場に車を停め、伽藍正門の仁王門から境内地に進みました。

 

 アニメ劇中でも、そのまま出ています。志摩リンは、仁王門参道口に愛車ビーノを停めていますが、実際に二輪の駐車場が同位置にあります。

 

 仁王門は、古そうな建物にみえますが、太平洋戦争中の昭和19年に再建された建物です。それ以前の江戸期の建物が傷んでいたため、建て替えとなったものです。

 

 仁王門に掲げられる山号の扁額です。宝積山といい、本来は天台宗による鉱山開発の拠点として創建された事がうかがえます。仏教では、宝とは鉱脈、積とは掘削蓄積、という意味でもありました。

 周知のように、長野県の伊那谷は、全国有数の鉱山集中地域でした。戦時中まで、下伊那だけでも約20ヶ所の鉱山が稼働していたそうです。駒ヶ根を含む上伊那ではもっと多くの鉱脈が掘り当てられていましたが、それは古代からの長い歴史をもっています。

 日本の鉱山開発は、古代においては国家の直営事業であるケースが多く、寺院建立に必要な銅、水銀、朱丹などを生産していたわけですが、中世には天台宗や真言宗などの最有力宗派がその事業を担っていました。いわゆる両宗の山岳修験者の任務の一つが、鉱脈の探査でありました。鉱脈は、だいたい温泉や鉱泉とセットになっていることが多いため、まず温泉を見つけ、そこで沐浴を行いつつ、付近をくまなく踏査して鉱脈の露出部を探し出す、という作業を、「修行」の一環と定義していたようです。

 そして駒ヶ根および駒ケ岳の辺りは、銅およびマンガンの鉱脈がかなり存在したらしく、天台宗が信濃に進出する過程でこれに目をつけたのでしょう。それが発端となっての、光前寺の開創であったことは想像に難くありません。

 

 仁王門に安置される金剛力士像一対のうちの阿形像です。室町期の大永八年(1528)の造立で、作者は七乗門院雲慶十三代慶延法眼を名乗ります。長野県下の数少ない在銘彫刻遺品の一つとして、駒ヶ根市の有形文化財に指定されています。

 

 仁王門からの参道です。かつては両側に数十の坊が建ち並んでいたといいますが、明治期の廃仏毀釈までに全てが烏有に帰しました。

 

 拝観受付の手前まで行った時点で、仁王門の方を振り返りました。このアングルでアニメに出ています。

 

 このシーンです。秋の景色ですから、あおあおと若葉が燃える5月中旬の状態とは少し趣が異なります。

 

 創建を九世紀におく寺伝の通りならば、境内地の中心的な老木群は十一の世紀を刻んで聳えたっていることになります。この雄大なる原生林の景観こそ、この寺にて見るべきポイントの一つです。

 

 参道の左右に枝分かれする路地の一つは、立ち入り禁止となっていました。苔庭ならぬ苔道として、それ自体が貴重な自然景観になっているためです。

 

 三門が近づいてきました。江戸期の嘉永元年(1848)に再建されましたが、最近に屋根の傷みが目立ったため、平成29年3月に葺き替えを行いました。上層に十六羅漢像を祀っていますが、普段は非公開となっています。 (続く)

 


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2 コメント

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Re. ソースカツ丼 (ホシノ)
2018-05-31 16:29:04
ソースカツ丼を出す喫茶店のようなお店、というと「ガロ」が有名みたいですね。志摩リンも行った温泉施設の隣にあります。個人的には「ガロ」のソースカツ丼はボリュームがありすぎて・・・。

「煮カツ」と「カツ丼」、そうなんです。甲府の歴史団体に参加していた昔、食事処で「カツ丼」を注文したら、いわゆる玉子とじカツ丼じゃなくてソースカツ丼が出てきたのです。これは「へやキャン」で使えそうなネタですね。

光前寺は「ゆるキャン△」巡礼抜きでも楽しめる良いお寺です。紅葉の時期は見応えがあります。

山梨放送の「ゆるキャン△」は次がラストのようですね。また感想聞かせて下さい。
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ソースカツ丼 (フカサワ)
2018-05-31 12:47:38
星野さん、精力的に巡礼を実行され、頭が下がります。
私は、仕事の忙しさにかこつけて、なかなか実行できないのが実情です。
先週土曜日の山梨放送のゆるキャン△は、丁度、志摩リンが伊那方面に行くくだりでした。
駒ヶ根は、昔、家族旅行で行ったことがあり、ソースカツ丼を食べたのを思い出しました。地元の方に聞いたら、喫茶店のようなお店を紹介され、ボリューム満点のカツ丼をいただいたのを覚えています。
因みに山梨では、世間一般で言う玉子でとじて煮てある「カツ丼」を「煮カツ」といい、ソースカツ丼を単に「カツ丼」と言います。つまり、「カツ丼」というと、ソースカツ丼が出てくるのです。その辺のくだりがあれば、もっと面白かったのにと思いましたが、地元ネタすぎてカットされたのですかね。
犬のお寺は知りませんでした。私は、御朱印収集も趣味でして、今回の放送を観て、駒ヶ根へもう一度行きたくなりました。
はたして、実行できますかどうか。
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