曲松のカノウヤに向かいました。店先にて、中から出てきた客と鉢合わせする形になり、慌てて脇に後ずさりしました。が、相手も慌てた様子で、「もしかして、星野さん?」と訊ねてきました。そうです、と答えると満面の笑顔になり握手を求めてきました。
「いやー、ツイッター見まして寄託展示を突然に終了、とあったのでビックリして飛んできたんですよ・・・」
「恐れ入ります・・・。こちらにとっても突然の事情がありまして・・・」
「ええ、知ってますよ・・、さっきまで店のおばさんにその件で色々伺ってきたところですんで・・・」
「すると、大体の事はもう御存知で?」
「ええ、戦車プラモも回収なさったそうですね。まだお持ちですか?」
「ここに持っております。お見せしましょうか?」
「あっ、前に二度行ってじっくり見させてもらってますんで、結構です。しかし、いやー、素晴らしい戦車部隊でしたねえ・・・、自分もああいうの作りたいと思ってます・・・」
「すると、あなたもプラモをされてるので?」
「はい、模型戦車道の3年生です」
「ははは、3年生って、面白い表現ですなあ・・・」
下さったガルパン名刺を見ると、見た事のあるハンドルネームでした。ああ、この方だったのか、と思い、それからしばらく立ち話をしました。先方は知波単学園の九五式軽戦車を製作中だと言い、これから塗装に入るのだが日本軍の三色迷彩は初めてなので緊張している、と話しました。それは私も同様でしたから、自分なりに体得した塗装の手順を参考までに説明しておきました。ブログで述べている事をそのままなぞっただけでしたが、相手は何度も頷いていました。
「星野さんのブログ、本当に丁寧に書いてあって分かりやすいのでいつも読んでますけど、実際にお話を聞いててもそのまんまですねえ・・・」
「まあ、実際に作った通りのことをブログに書いてますからね・・・」
「ですねえ、下手な模型雑誌の記事よりずっと良いです。模型雑誌のね、プロの方が作っての製作記事なんて、初心者の僕には全然分からない事だらけなんです。モデグラのアナトミアだって、九七式中戦車の砲塔の交換方法はターレットの穴を移せ、となってるけど、ああいう高度な改造やれる人って、そんなの何人も居るんですかね?・・・・あれ読んだ時は方法が難し過ぎて、いっぺんにやる気無くなっちゃってチハの製作も諦めかけたんですが、その後に星野さんのブログで簡単な改造方法が紹介された時はもう、感動しましたよ・・・。ブラ板2枚、軸棒1本だけで交換出来るなんてねえ、工夫と言うのは色々有り得るもんですねえ・・・」
「恐れ入ります・・・」
その後、メアドを交換して別れました。宮城県仙台市の方でした。大洗から帰ってすぐに制作を再開したらしく、一週間後にメールにて見事な九七式中戦車および九五式軽戦車の完成画像を送ってきて下さいました。
カノウヤに入って、女将の柴沼さんに最終的な連絡をして、そのままお茶を飲みながらしばらく世間話をしました。今回のカノウヤ作戦前倒し終了の根本的原因となった、店内の壁に入っている長い亀裂を見上げつつ、修理はされるんですか、等と聞きました。
亀裂は三ヶ所ぐらいに見えました。亀裂のある壁体には小さな窓が付けられているため、そこだけが窓枠で支えられる形になっているらしい、それで壁体全体の耐震度も落ちているのかもしれない、というような内容の話をしました。
柴沼さんは「修理するとお金もかかるし、しばらくはこのままでいきますわな」と話していましたが、不安が全く無い訳ではないようで、「いつかは(修理)やらんといけないでしょうけど、その前にお店たたむかもしれないわよお」と冗談っぽく笑っていました。
というわけで、上図の展示状況はしばらくの間、そのまま維持されるそうです。
それではこれにて。柴沼さん、色々お世話になりました。色々と面倒もおかけしましたが、最後まであたたかく見守っていただき、有り難うございました。改めて御礼申し上げます。
ちょっとお腹が空いてきたので、最後の目的地である梅原屋に向かう前に、何か食べるか、または弁当でも探してみようかと思いつきました。そこでまずカジマさんに寄って見ましたが、弁当は全て売切れでした。
そこで、あらかじめ調べてあった上図の「朝日堂」さんに行ってみました。海楽フェスタやあんこう祭の時に出店をやっているのを見た事がありますが、お店に入るのは初めてでした。
御覧のように弁当類が色々ありました。みんな初めて見る品でしたから、どれも魅力的でした。お店の方がそれぞれの弁当について簡単に紹介して下さいましたが、とにかくお肉が旨いですよ、というニュアンスが共通していました。
それで散々迷った末に選んだのがこの「厚切豚丼」700円、そして「だし巻き玉子」500円でした。見ただけで美味しそうです。
これ絶対旨いやつだ、と楽しみにして梅原屋に持って行き、橋本さんに許可をいただいて店内にていただきました。ところが、食べ始めた途端に、店内に居る飼い犬のポポが匂いをかぎつけて近寄ってきて、ちょこんと正座しつつ欲しそうにして吠えてくるのでした。それで、厚切豚肉の大半はポポにあげました。あと玉子焼きも一つあげたかな・・・? (続く)