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日々の恐怖 3月3日 眼球1

2015-03-03 18:51:15 | B,日々の恐怖



   日々の恐怖 3月3日 眼球1 



 東京の会社員のKさんに話を聞きました。

 とても長くなります。
受験勉強もやって、かろうじて名門大学に滑り込みました。
人並みに頑張ったと思ってます。
そして人並みに成果が出たかな。
会社勤めがはじまってからも、やっぱり頑張りました。
でも、ちょっと頑張りすぎたのかもしれない。
 営業入社だったんですよ。
どこの会社でもそうですよね。
伸び悩んだが最後、他の課への転属が待ってる。
人当たりが良くて、礼儀正しい。
それだけで配置されたなんてド新人にはきつい職場でした。
 同期に後二人入ったんですね。
彼らは半年もしないうちに最初の成績あげたんです。
数年に一度しか営業課には残れないっていわれるくらいだから。
もう、その時点で、自分は脱落だと覚悟してました。
 でも、はじめてだったんです。
納得ができないほど、挫折感を味わったのは、あれが最初でした。
なんとかしなきゃって走り回って。
 やっとのことで、親族の経営する会社に売り込みました。
数字でいえば他二人より桁が一つ上です。
嬉しかったなあ。

「 はやいとこ、お前の机は他所にいってもらおうな。」

顔を合わせるたびに言われていたこのお小言がなくなりました。
 見放されかけていた先輩に、

“ ばんっ、ばんっ!”

って肩を叩かれながら、

「 よしっ、くどきにいくぞっ!」

って発破かけられる毎日がはじまりました。
 一人いなくなり、二人いなくなり。
数年ぶりに自分が営業課に正式採用がきまりました。









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