日々の恐怖 2月16日 レクイエム 2
幹線道路の車線変更をして橋を渡っていたその時だった。
陽が強くあたり視界を奪った。
思わず目を瞑ったが、時速60kmで走行中で車も多く、無理やり目を開けた。
視界は真っ白で、こんなことあるのかと思った。
しかし、徐々に視界が戻ってきてホッとして、そのまま橋を降りる方向へ向かった。
この橋が実は昔から不思議だった。
詳細は特定されるかもしれないからぼやかすけど、橋の途中で道路のある種別が変わる不思議な道路で、それゆえに地元住民からはある愛称で呼ばれていた。
そういった不思議な道路で、事故も多かったのでいつも警戒していた道路だった。
なんとなく事故が多いのは太陽の光が入り込むタイミングとかなのかなとか考えながら、橋を降りた。
そこで違和感に気づいた。
その橋を降りた先の道は、いつもすごく混む。
それなのに一台も車がなかった。
最初は、
” あれ・・・・?ラッキー!!”
と思って走ったが、次の交差点でも、その次の交差点でも車どころか人一人見つけられない。
そのまま走って家に着いた。
なんかおかしいような気がしたけど、道中見かける家の明かりはついているし、街灯も信号も付いている。
その光のみに支えられて家に着くことができた。
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