異例のＤＮＡ再テスト

６日付けのワシントン・ポスト紙の報道によると、「ウォーナー・バージニア州知事（民主党）が、１９９２年に無実を訴えながらも死刑執行されたロジャー・コールマン死刑囚（当時３３歳）が、真犯人で在ったかどうかを調べる為、ＤＮＡテストを命じた。」という。これはかなり異例な事だとか。

１９８１年、当時１９歳だった義理の妹をレイプした上、首を切り落として殺害した容疑で同州グランディにて逮捕されたコールマン元死刑囚。死刑判決を受けたものの、一貫して犯行を否認。死刑執行の直前に、「無実の男が殺害されようとしている。私の無実が証明された時、全国民が死刑の不正義を理解するだろう。」と声明を読み上げ、電気椅子にかけられた。

死刑執行の２年前（１９９０年）にＤＮＡテストが行なわれ、犯行をほぼ裏付ける結果が出たのだが、現在のテストに比べると確度が低く、又、担当弁護士によると、被害者の体内からは２人の精液が採取され、別の男が殺害を吹聴していたのだそうだ。

その為、死刑執行から１４年を経た今年、「死者に対して二度目のＤＮＡテスト」という異例尽くしの命令が出された訳だが、その背景には２００８年に行なわれる大統領選挙に同知事の出馬が噂されており、その為のアピールではないかという声も在る様だ。とは言え、万が一無実という結果が出された場合には、死刑の是非を問う世論が盛り上がりを見せる可能性は高い。

死刑執行を巡るニュースと言えば、「強盗殺人罪で死刑判決を受けた後、獄中で改心＆犯罪防止活動家となり、ノーベル平和賞候補にもなったカリフォルニア州の死刑囚が、多くの減刑嘆願書が寄せられたにも拘わらず、同州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が拒否した為に、昨年１２月１３日に死刑執行された。」事が大々的に報じられていた。

冤罪は許されない事だが、私見を書かせて貰えば死刑賛成派の立場を採っている。今週中に発表予定のＤＮＡテスト結果が注目される所。