アメリカとカナダが、中国軍艦の無法接近動画を公開した。
昨日の新聞報道では「140mで米艦の進路を横切った」とあったが、映像を見る限り「中国艦は、高速を以て米艦の後方から内寄り10~20度の針路で米艦を追い越し、両艦の針路が交差したのは米艦の前方500m、最接近距離は140mであった」が正しい様に推測されるので、米艦は緊張したではあろうが衝突の危機感までは持っていなかったのではと推測している。
いずれにしても、中国艦の行動は悪質な「幅寄せ」行動であることには変わりないものである。
道路上の危険運転と同じであるが、無法運転された側からは相手の意図が不明なことで疑心暗鬼の誘発・増進に繋がってしまう。韓国海軍駆逐艦の火器管制レーダ照射時にも書いたことであるが、海自機は韓国駆逐艦に攻撃の意図があるのか?・砲やミサイル発射機の安全装置は?は、知ることができないので、これらの様な軍隊間のチキンレースは極めて危険である。閑話休題。
自分が在職していた頃の自衛艦の変速(速力の変更)について紹介すると、各艦種ごとに「変速標準」が定められており、例えば護衛艦では9ノットから12ノットに変更する場合は、速力指示から概ね○○秒でプロペラが規定回転数に達するよう操作するが、実際に艦の速力が12ノットに達するには更に時間がかかることになる。現在はこの変速操作は操縦装置で電子的に制御されているので、所定の押し釦を押したり、スロットルレバーを規定位置まで進めればあとは操縦装置が勝手にやってくれるようであるが、かっては、蒸気艦では操縦弁をディーゼル艦ではスロットルレバーを手動操作してコントロールしていた。そのために、どうしても個人差が生まれ、ある操縦員は一旦急激に所要回転数に上げたのち艦速の上昇に伴って回転数を微調整するよう操縦し、ある操縦員は一定の変化速度で○○秒間に規定回転数に達するように操縦するということがあった。
出入港などでは操縦員が固定されているが、何らかの事情で操縦員が交代した場合には入港後に艦長から「操縦員が変わったのか?」と質問されたこともあり、各艦で得点を競う「戦術運動戦技」等では、操艦者から操縦員を指名されることもあった。
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