補給艦に乗ってRIMPAC92'に参加した。
参加国は、米・日・加・豪・韓の5ヶ国で、海上自衛隊の兵力は、第2護衛隊群の護衛艦8隻、補給艦・潜水艦各1隻、ヘリコプタ8機、対潜哨戒機8機という大兵力であった。
パールハーバーに集結した演習参加艦艇は45隻以上とされているが、その全てが埠頭係留で、さらに埠頭には艦船への給電設備と給油設備が備わっているという贅沢さで、貧乏海軍(海自)では想像できない基地機能であった。流石に全艦艇に電力を供給する程の余裕はなく電力受給は電機関係を修理する場合に限定されたが、埠頭での給油は、バージ(油船)に頼っている海自から見るとうらやましいものであった。
補給艦のように大量の燃料を搭載する場合は、専用の給油岸壁で行う必要があった。その際、担当者(軍属)への缶ビール6本の袖の下で貯油・給油施設を窺うことができたが、覆土防護されたタンク群は圧巻であった。対米戦争劈頭の真珠湾攻撃で南雲機動部隊は基地機能破壊のための2次攻撃を行わなかったが、燃料タンクだけでも破壊しておれば米海軍の行動を制約することができて、ミッドウエー海戦も違った展開になっていただろうにと悔しく思ったものである。
米海軍では、0800時と日没時の軍艦旗掲揚・降下に際して、在泊艦艇の国歌を吹奏する慣わしである。RIMPAC92'でも5ヶ国の国歌が陸上の拡声器から流され、その間(10分近く)乗員は挙手の敬礼のまま「気を付け」する必要があるが、補給艦の停泊場所は拡声器から離れていたために国歌が終わった時が聞き取れず、見張り員を配して僚艦等の動向に倣う必要があった。資料ではRIMPAC2018'の参加国は26ヶ国とされているので、この伝で行けば国歌吹奏時間は1時間近くにもなるであろうことから、何らかの対策が取られているのではないだろうか。
以前にも書いたことであるが、ハワイ停泊中の各艦にはオートボーンと呼ばれる海軍回線電話が設置された。オートボーンにはランクがあり、個艦には緊急時には割り込み・遮断される回線が、司令部には遮断機能が無い回線が割り振られた。電話帳には世界各地に展開する米海軍基地が網羅されており、オーシャンネイビーの底力が滲み出ていた。さらに裏技を使えばオートボーンから海自回線に接続することも可能であるのかも知れない。
最近の産経抄で「真珠湾と云う名称は無い」ことを知った。確かに、海図(港図)にもパールハーバー(真珠港)と書かれており、山本五十六提督の書簡や連合艦隊の作戦計画にも「布哇真珠港攻撃」と書かれているそうである。
今更、真珠湾⇒真珠港への呼称変更は必要ないと思うが、アメリカ側の「リメンバー・パールハーバー」はさておき、徹底を欠いて悔いを残した戦訓を忘れないためにも、「真珠湾を忘れるな」は日本でこそ語り継がなければならないように思う。
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