もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

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憲法審査会初の結論

2022年03月04日 | 憲法

 衆院憲法審査会が、設置以来初めてとなる「憲法ぬ関する結論」を出す公算が大きいと報じられた。

 結論は、憲法56条が定める「(国会審議の要件は)議員の出席」との条項を「緊急時に限っては例外的にオンライン出席と解釈」するというものである。
 憲法制定時では、議場外からの意思伝達手段が手紙(電報)と電話しかなかったことを考えれば、出席とは議員が他の勢力から影響されないように「物理的に議場に存在する」を意味していたように思う。そのことは、本会議での採決に先立って議長が「議場閉鎖」を命じて外部勢力からの影響を排除することでも示されている。
 自分は、議員の発言や投票行動が真の自由意思に基づくものと認められることを前提にした「オンライン会議」には賛成であるが、憲法を恣意的若しくは都合よく読み替えることは結果として憲法を有名無実化するものであり、このような憲法の解釈変更には同意できない。
 また、オンライン出席容認は両院運営規則変更で可能としているが、憲法58条の両院運営規則制定の域を超えるという疑念があり、ここでも読み替えという屋上に屋を重ねる必要が生じる。
 オンライン会議で緊急事態対処が万全かと云えば、もし「衆参同時選挙」期間中に緊急事態が生起した場合の舵取りは、議員でない大臣と半数の参議院議員に委ねることになる。このことは、議員の任期と失職時期が明確に定められているためであり、憲法の読み替え・拡大解釈では解決できないものである。
 今回の憲法解釈変更に対しても自公維国は賛成しているが、「共和制新憲法の制定が党是である共産党」と「憲法の問題点を教えて欲しい泉代表と憲法規定に縛られる国会議員は改憲発議ができないとする奥野總一郎衆院憲法審査会幹事率いる立憲民主党」が反対であるらしく、特に立民は「改憲論議3年間棚上げと人質に取ったCM規制の継続・優先審議」に縋りついているという情けなさで、高々と掲げた「論憲」の看板が泣いているように思える。

 明の王陽明は「聖人は経験から悟る」、ドイツの名宰相ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と喝破したが、ウクライナ危機という未曽有の経験からも学べない立憲民主党は、愚者とも呼べない存在であるように思える。「貧富格差の是正」「総中流化」という人参・羊頭は、国家あっての物種で、国家の基本「憲法」に向き合えない立憲民主党は、日本に不要な・あってはならない存在ではないだろうか。


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