もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

枝野代表は何処の国の人?

2021年04月29日 | 野党

 立憲民主党の枝野幸男代表が、議会制民主主義を無視するかの発言を繰り返している。

 枝野氏は「私の下の内閣で当面の危機管理と選挙管理を行わせて頂くべきだ」、「1日も早く立憲民主党に政権を渡して頂きたい。こちらには準備がある」と繰り返しているようである。ちなみに現在の衆院勢力は、自民278人(59.8%)、立民14人(24.5%)となっており、非現実的ながら自民を除くすべての政党が枝野政権に合意したとしても現行制度では枝野政権は不可能であると思う。
 勿論、閉塞感に打ちひしがれていた世相から根強く囁かれた「田中角栄再登場待望論」のように枝野代表がカリスマ的な人気を得ているならば、会派を越えて宰相に選ばれることもあり得るが、残念ながら枝野氏には田中角栄氏のような行動力や人心掌握術は見受けられず、なにより致命的であるのは行政実績がないことと明るいイメージがないことである。
 枝野代表は、憲法審査会の審議拒否に見られるように国家観や将来像の議論には極めて消極的で、彼が注力するのは、かっては政党交付金を確保するための国民民主党議員の取り込みであり、近年は支援母体の連合票の取り込みであることを思えば、枝野氏には寝業師・フィクサーの暗いイメージが強く、政党代表よりも政党幹事長が相応しいように思える。
 旧社会党や民主党には、政権獲得後の円滑な政権移行と行政を途切れさせないためとして不十分ながらも「影の内閣」を準備していたが、それすらも立民には置かれていない。また、議員立法提出の少なさを問われた野党議員が「官僚の協力が得られないから」としたことを契機として議員に与えられた政策秘書についても、週刊誌のスクラップ程度の雑用に使用されているようであるので、枝野代表が言う「・・こちらには準備がある』はどのあたりを指しているのか全く不明である。
 日本の議院内閣制は、直近の衆院選挙を民意と捉えて最多議員を得た政党に国政を委ねることで成り立っている。現在の立民の衆院勢力が25%であることを考えれば議員の4人に1人しか枝野政権を望んでいないことになる。その25%という数字も、選挙後において寝技的に希望の党や国民民主党所属議員を釣り上げてものであり、真に枝野政権誕生を渇望しているのは総選挙時の立民当選議員55名(12%)と観ることや、政党別得票数からは全有権者の8.5%と観ることも可能である。

 世界基準からはかけ離れた日本的リベラルであるものの、枝野代表もリベラリストの常として「正義は我にのみあり」と思い込んでの行動であろうかと推測しているが、流石に、枝野代表の議会制民主主義を無視した意見には、所属議員からも批判的な意見が出されているらしい。
 昨日開催された参院の憲法審査会で、Mr.シビリアンコントロール小西議員は、コロナ下の憲法論議を「不要不急の火事場泥棒的行動」と批判したと報じられているが、コロナ下の閉塞感・焦燥感を好機とした枝野政権構想こそ、全てのルールを無視した火事場泥棒の極致に思える。
 枝野代表の目からは、混乱に乗じて国政を掌握したミャンマー国軍の行動が羨ましく・正義そのものに映っているのかも知れない(笑)。


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