令和陛下即位に伴う一連の儀式も滞りなく終了した。
即位式、大嘗祭、親謁の儀(伊勢・奈良・京都歴訪)と半年間にわたる行事が、国民慶賀のうちに終了したことは、まことにおめでたいことと思う。昨日、宮内庁は大嘗祭の舞台として架設された大嘗宮の解体後の木材について、バイオマス発電の燃料として使用すると発表した。理由としては、無乾燥の物があることや、溝や釘跡があることから住宅用に転用できないということとされているが、燃やしてしまうのは何ともモッタイナイとも思う。罰当たり・不敬の極みと思うものの、大嘗宮材木の再利用法は以前から考えていたが、余りにも貧乏人根性丸出しであるとともに、神秘・神事を冒涜するものと控えていたものである。密かに考えていた利用法は、木片として希望する国民に下賜・頒布するというものである。この方法は、宣明の儀は無論のこと、即位パレードにも駆けつけることができない遠隔地在住者や老幼者に対する余福として、効果抜群であろうと考えたからである。しかしながら最後になって、このことには偽物を作ることが簡単であり、ネットオークションという売買の場があることから、やめた方が良いと結論付けざるを得なかった。ジョー・ディマジオの思いのこもったマリリンモンローの遺品が遺族によってオークションにかけられて好事家の手に渡り、歴史的文書にサインした万年筆が金満家の手に渡るご時世では、転ばぬ先の杖と”きれさっぱり”燃やしてしまうのが最良であるのかもしれない。
30年前に崩壊したベルリンの壁の一部と称する握り拳大の土塊(真贋不明)が、ヤフオフに3,600円で出品されていた。神奈川県庁が廃棄したHDDが廃棄受注社の社員によって盗み出され、個人情報を含む大量の内部資料が流出したが、これもネットオークションという場が存在したことが大きいと思う。また、有名ブランド品の偽物がオークションで流通していることから、メーカーがオークション主催者に警告する事案も起きている。神奈川県庁の例では、県庁職員や廃棄受注社首脳は、廃棄業務が済々と行われていると思っていたであろうが、倫理観に欠けた担当者1名によって全ての信頼感が損なわれることとなった。このように、多くの人手が介在する際に発生する”蟻の一穴”の危険性は常に存在するが、盗品や偽物を容易に換金できるネットオークションが、蟻の一穴を増やしているように感じてならない。ネット販売やオークションは「便利なツールではあるが悪意もまた存在する」ことを心すべき、と銘じて、終演。
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