政府が人工知能(AI)活用の7項目の基本原則を決定した。
原則の中核は”基本的人権を侵さない”人間中心の原則であるとしているが、”特定の国・企業にAI資源を集中させない公正競争の確保”等、良く理解できない原則も含まれている。政府は本原則を以て、来年(2019年)6月に大阪で開催されるG20首脳会議の議長国としてAI活用の国際的ルール作りを提唱するとしているが、公正競争の確保とは産業構造にまで踏み込んだもので「AIの基本ソフトは全世界に公開しなければならない」とするものであろうか。現在、AI研究の最先端は米露中が開発競争を繰り広げている自律型致死兵器システム(LAWS)であると思うが、同システムの限界を定めて「AI版ハーグ条約」を模索する国際会議も頓挫したままであることから、AIの産業構造まで踏み込んでの提言は受け入れられないのではと危惧するものである。今回の原則に先立って1940年頃SF作家のアイザック・アシモフがロボット3原則「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を提唱し、以後ロボット工学3原則として学会・産業界に受け継がれているが、LAWSは3原則の中で最も重要と思われる「人間への安全性」を「味方への安全性」に読み換えるもので、理想と現実のギャップは埋め難いものであると思う。とは言え、AIが人間の生活を刷新するかもしれない存在であるのは確かなものであろうと思えば、核兵器が人類の滅亡に繋がるとの危惧から使用されないという人類の最後の理性に期待して、AIの普及も受け入れるしかないのではないだろうかと考える。
昨日、1年以上も本ブログを閲覧して頂いているという方から「文章が稚拙である」とのご指導を頂いた。自分でも密かに感じていたこともあり、改めて数本のブログ記事を読み返したが、ご指摘の通り論旨の飛躍、脈絡の齟齬、校正不備が随所にあり、紅顔の極みと反省を新たにした。ブログを始めるにあたり、「1200字以内」「ヘイト主張に陥らない」「敬称を付す」「推定無罪の原則尊重」なにより「警世という大上段でなく、ボケ防止の一環」と決めていたが、何時しか変質した方向に転舵した気配があり、併せて思いの丈を文字にするのは身に余る所業であることも痛感している。生硬な文章は生来と開き直るのではなく、老いたりとは言え文章力の研鑽に努める一方、せめて平仄の整った文章を心掛けなければと思った。暖かいコメントを寄せてくださった方に改めてお礼を申し上げます。
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