鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第十六話

2019-12-01 20:08:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第十六話




「少し、落ち着いたようですね。」
「ユリーシャ。サーシアと、この娘そして、メルダを連れて地下の格納庫(ハンガリー)へ行き、脱出なさい。」

ユリーシャはスターシャの目を見つめ、「コクリ」と頷いた。
淋しいそうにスターシャを見上げるサーシア。
今にも泣き出しそうな顔覗かせ、「グッと」涙をこらえ、母であるスターシャを困らせていけないと、イリィの手を取り、ユリーシャにすがるように歩き出した。

「メルダ大尉。行きましょう。」
「脱出用の恒星間航行宇宙船(シュヘラザード)は特別仕様。」
「本来、スターシャを継ぐ者だけが、乗船する事が許された宇宙船(ふね)。」

特別仕様とのユリーシャの言葉に渋々だったメルダは一瞬、瞳を輝かせた。
「これを借りる事が出来れば…。」

「分かりました。」

女王の間を後にした四人を横目にスターシャは「スッと」立ち上がり、超空間映像通信を使い、オクトパス星団最深部に陣を敷く、惑星要塞艦ゴルバで指揮を取るメルダーズを呼び出した。

「メルダーズ。観えているか?」
「此方の感度はまずまずで貴公を捉えている。」

「℃@…これはサーダー様。」
メルダーズは自席から立ち上がり、右膝を折り、右手を胸の前に当て、頭(こうべ)を垂れた。

「イスカンダルの王家、三名は既に捕らえ監禁しているが、邪魔者が入ってしまってね。だが今しがた、解決した。」
「誤算はイスカンダルの加速不足、手前で停止した。」
「我を迎えに来い。」

「ハハッ。」
「…少し、お時間を下さいませ。」
「ガミラス残党に加え、ヤマトが出現致しまして…。」

「何の為のゴルバか?」
「30分時間をやる。」

「御意!」


地下へ降りるエレベーター内でユリーシャは、メルダに話掛けた。

「メルダ大尉。今まで、ご苦労様。」
「だけど、貴女を逮捕します!」



「ドロイドたちよ。メルダを拘束せよ!」

その言葉にメルダは腰に携帯したコスモガンに手を回した。

「メルダ。抵抗は止めておけ。」
「このガミラス娘も、別室に監禁している三名の命も、我がサーダー様が預かっている。」

「グッ。」
メルダは偽りのユリーシャを睨み付けながら、抵抗を止め、携帯するコスモガンを渡した。

「やはり、偽者だったとわね。」
「確かに最初は、見抜け無かったが、本物のユリーシャ様は、左から横分けの髪型なんだよ。」
「それにお前が偽者と確信出来たのは、ユリーシャ様は私を階級を付けて呼ばないんだよ。」
「いつも、"メルダ"って呼び捨てだからな。」
「確信を持てるまで時間が掛かってしまったがな。」
「お前たちの目的は何だ?」

「ふん。」
「本作戦が終了したらサーダー様から教えて貰うがいい。」
「メルダとやら。貴様はサンプルとしては高評価だからな。」



ユリーシャの姿を解き、本来の姿を現すサーダーの侍女ラヒキ。
そして、サーシアに化けていたリマもまた、本来の姿を表した。



「小娘、いつまでも、あたしの手を握ってる?」
「お前は我が暗黒星団帝国の奴隷としては使えそうだな。」
リマはイリィの手を振りほどいた。
イスカンダロイドの二体は制御され、コントロールされているようだった。
メルダを拘束すると、機能を停止させ、その場に膝から崩れ、床に倒れた。
イリィは拘束されたメルダにしがみつき、ラヒキの後をメルダと共に歩き、シンガリはリマがガードした。

「二人共、入れ!」
「元々の主人に会わせてやる。」
「作戦終了まで、せいぜい懐かしい話に華をさせるんだな。」
メルダはリマに背中を蹴られ、前つのめりで、二歩、三歩とよろけながら、スターシャらが囚われている部屋へと入った。

ラヒキとリマは不敵な笑みを浮かべ、施錠し、サーダーの待つ、女王の間へ戻った。




第十七話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。