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ロシア軍にポクロウシク攻略の余力はあるか 檄飛ばすプーチンはシリアで面目丸潰れ#2024.12.10#David Axe#Forbes Staff#翻訳・編集=江戸伸禎

2024-12-29 15:45:50 | 連絡
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David Axe Forbes Staff
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I'm a journalist, author and filmmaker based in Columbia, South Carolina.
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ウクライナ東部の砲弾で穴ぼこだらけの戦場で、ロシアの大きな目標はドンバス地方を完全占領することにある。
石炭埋蔵の豊富なこの地方は北のルハンシク州と南のドネツク州で構成され、ウクライナの国土のおよそ1割を占める。
2022年2月、ウクライナに対する全面戦争を起こしたロシアは、数カ月のうちにルハンシク州のほぼ全域を掌握した。
一方、ドネツク州は、開戦から2年10カ月近くたつ現在も3分の2ほどしか制圧できていない。
そして、ロシアが近いうちにドネツク州を全面占領できる見通しは暗くなりつつある。
 
主な障害はふたつある。ウクライナが保持する要塞都市のポクロウシクと、その北東40kmほどのコスチャンティニウカからスロビャンシクまでの数珠つなぎの要塞都市群だ。

ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)は8日の作戦状況レポートで「敵は今年末までに、コスチャンティニウカからドルジュキウカ、クラマトルシク、スロビャンシクと連なる『要塞ベルト』の制圧にも成功しないだろうし、ドネツク州の(完全)占領にも成功しないだろう」と予想している。
だからといって、ロシア軍が前進していないというわけではない。
ポクロウシク方面に展開しているロシア陸軍第90親衛戦車師団の部隊はここ数週間で、ジョウテ村を抜けてその先のノボプスティンカ町まで西進し、幅は狭いものの長さ数kmの突出部をつくり出した。
の先端にいる前衛部隊はポクロウシクの南8kmほどの地点に達している。
 ロシア軍がポクロウシクを直接攻撃するのでなく、側面に回り込んで遮断することを狙っているのであれば、突出部を形成したこの前進は重要だ。
実際、ロシア軍がそれを狙っている証拠は十分ある。
第90戦車師団や近傍のロシア軍部隊が次に試みる行動は、突出部先端の左側にあるノボトロイツィケ村とその南のウクラインカ村を制圧し、突出部を膨らませることだと考えるのが妥当だ。
 この突出部を広げられれば、ロシア側はポクロウシクを圧迫できるのに加え、突出部の根元あたりから南に下ったゾリャ村やソンツィウカ村方面のウクライナ軍の補給線を脅かせるという、副次的な効果も見込める。
そのさらに南方では、ロシア軍が10月1日、ウクライナ側の要衝だったブフレダルから、疲弊した守備隊のウクライナ陸軍第72独立機械化旅団を押し出して以降、ゆっくりだが着実に前進している。
 突出部の拡大は、ロシア軍がポクロウシクを南側から包囲していくのと同時に、クラホベ市やその周辺を北側から包囲していくことにもつながるかもしれない。
だが、いまのロシア軍に、この作戦行動を成功させられるほどのリソースがあるのかは不明だ。
ロシア軍は優秀な部隊が数千〜1万強の北朝鮮兵の支援も受けつつ、ウクライナ軍の逆侵攻を受けているロシア西部クルスク州での戦いに忙殺され、凄まじい損害を出している。
ポクロウシク方面に投入できる予備兵力は少ない。
ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター:CDSは「過去2、3カ月、敵の司令部はポクロウシク方面で前進を遂げるために、増援ではなく現存戦力の再編成によって高い作戦戦力密度を維持しなくてはならなかった」と解説している。
ロシア軍が果たしてポクロウシクを攻略できるほどの戦闘力を保有しているのかは、近々わかるだろう。
ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター:CDSは「来るポクロウシク攻防戦は敵による(今年の)攻勢作戦のクライマックスになる」と述べている。
いずれにせよ、ロシア軍は強大な戦力を有した状態でポクロウシクに迫っているわけではない。
ロシア軍が毎月失っている人員数は新兵の採用数を数千人上回っている。
現代的な戦車やその他の戦闘車両の在庫は乏しく、カーゴトラックやバンに乗って攻撃に向かわざるを得ない部隊が増えている。
さらにここ数日でシリアの残忍なバッシャール・アサド政権があっという間に崩壊し、同国沿岸部などにあるロシア軍基地に多数の軍人や最新装備が取り残されるという事態にもなった。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ポクロウシクへの攻撃準備を進める自軍兵士らに強さと自信を示さねばならないまさにその時に、メンツを潰される格好になった。
もっとも、状況は近く変わるかもしれない。
来る2025年、ロシア・ウクライナ戦争をめぐる政治情勢は一変する可能性がある。
国で1月20日に就任するドナルド・トランプ次期大統領の新政権は混沌として予測不可能なものになるだろうし、
ウクライナにとって死活的に重要な米国の援助を打ち切るか大幅に縮小するおそれもある。
ドイツでは2月に連邦議会(下院)選挙が予定されている。
フランスでも発足して間もない内閣が総辞職に追い込まれるなど、
政治の先行きが不透明になっている。
政治情勢の変化はウクライナを害し、ロシアを利するかもしれないし、その反対になるかもしれない。
こうした不確実性は、ロシア政府もウクライナ政府もひしひしと感じているはずだ。
ただ、違いもある。
ロシアは達成が遅れ続けている目標をなお追求し、大きな犠牲をともなう攻勢を続けようとしている。
それに対してウクライナの最大の目標は、ロシアが人員や装備、時間を使い尽くしていくなか、ただ生き延びることだ。
 
翻訳・編集=江戸伸禎




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