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目の不自由な人でも行きたい場所に行ける 歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」 2022-12-13千野歩

2022-12-14 10:00:05 | 連絡

By - NEWS ONLINE 編集部 公開:2022-12-13 更新:2022-12-13
 株式会社「Ashirase」代表取締役の千野歩氏
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青山学院大学理工学部卒業。新卒で本田技術研究所に入社、ハイブリッド車のパワートレイン制御や自動運転システムの研究開発に従事。
その後、2021年4月にHondaからのスピンアウトという形で株式会社Ashiraseを創業。
現在は視覚障がい者向けの歩行ナビゲーションシステムの開発を進めている。
〇現在の仕事についた経緯
3年前、妻の祖母が川に落ちて亡くなるという事故がありました。
今までモビリティ業界に従事してきましたが、この事故をきっかけに、歩くこともモビリティなのではないかと思いました。
そのモビリティで苦しんでいる人を助けるプロダクトを作りたいと活動をはじめました。
その後、本業の傍ら、メンバーを集めつつ活動をはじめ、Hondaの協力も得ることができ、事業をブラッシュアップしていきました。
そしてより事業を加速させ、早くに価値を視覚障がい者の方に届けるため、スピンアウトという形で創業しました。 
Hondaの新人時代には、出来る先輩が多く、心が折れそうになった時もありました。
しかし、プライドを捨て、知ったかぶりをせず、わからないことはわからないと言うことで、周囲の協力も得ることが出来ましたし、足りない部分を明確にすることができ、次第に自分の良さも出せるようになりました。
もちろん基礎能力は大切ですが、世の中で周知の内容を全て0から考える必要はないと思い、「自分で深く考えた方がいい」ものと「他人に聞いた方が早い」という技術や内容を意識することで、成長と効率をうまくコントロール出来たと思います。
Ashiraseでは、視覚障がい者向けのプロダクトを開発していますが、自分自身が晴眼なので、しっかりと視覚障がい者と対話することで課題を特定・理解することを意識しています。また、晴眼者としての認知バイアスに囚われないように心がけています。
全く新しいプロダクトを開発しているため、中々うまくいかないことも多いですし、技術的なハードルも多く存在します。
当然ではあるのですが、来ない理由を並べるのではなく、どうやったら出来るようになるかという姿勢を常に持ち続けるようにチームでも日々意識しています。
〇若者へのメッセージ
私はサラリーマンとして開発に従事し、30代半ばで独立しました。
もっと新規事業の開発や独立することに対して、若くから意識を向けて取り組めば良かったと思うことは多々あるのですが、この歳で創業することに対して、全く気にしていません。
それは現在の仕事についても、今までの研究開発の経験が多く活きているからです。
事実、シリコンバレーなどでは、インテルなどで30年近く働いた人が、50代・60代で初めて創業することも多いと聞きました。
大学から創業するのも、遅く創業するのも、サラリーマンとして生き抜くのも、色々な道があると思うので、自分のやりたいことや興味ある事と向き合いながらキャリアを選んでいくのがいいのではないかと思います。
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が12月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。視覚障害者向け歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」の今後について語った。
〇視覚障害者向け歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」
新行市佳アナウンサー)視覚障害者の外出をサポートする最新技術についてですが、番組では1年前に視覚障害者向け歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」についてお伝えしました。
2021年4月、本田技研工業株式会社(Honda)からベンチャー企業として株式会社「Ashirase」が誕生。「Ashirase」が開発したデバイスを靴に装着することで、ナビ情報を足に振動として伝え、行きたい場所に誘導するというものです。 
飯田)1年前に、私と新行アナウンサーも実際にスタジオで「あしらせ」の体験をさせていただきました。その「あしらせ」が2022年度グッドデザイン賞の金賞を受賞されたということで、おめでとうございます。
千野)ありがとうございます。
〇クリップで取り付けるなど、さまざまな部分を改良
新行)去年(2021年)から今年にかけては、どのような改良が行われたのでしょうか?
千野)もともとは足の甲などに、本来の硬い部分が靴の外側に取り付けられる形だったのですが、視覚障害者の方が紐の部分に取り付けるのは難しいということがありました。
飯田)紐の部分に取り付けるのが。
千野)試行錯誤して、足の甲と横側の間ぐらいのところに、クリップで簡単に取り付けられるようになったのが大きく変わったところです
飯田)クリップで。
千野)ナビゲーションとしては、もともと道順を伝えるもので、曲がり角などをお知らせすることをメインにつくってきました。
しかし、それだけではなく、どちらの方向に進めばいいのかディレクションするような、終了地点や迷ってしまったときなどに簡単に確認できる機能も追加されました。
細かい機能をアップグレードしてきましたが、そのような大きな変更なども追加しながら開発を進めてきました。
〇2023年からベータ版を200台程度稼働させる予定
飯田)いつごろからの商品化を考えていますか?
千野)ベータ版として、200台程度を2023年の頭ごろから出したいと思っています。2022年度中にはサービスを開始したいですね。
飯田)いよいよ最終段階、社会に出す直前まで来ていますが、課題なども相変わらずいろいろと出ていますか?
千野)充電についても、1日90分ぐらいの使用で1週間程度もてばいいなと思っているのですが、もう少し短くなってしまうかも知れません。
飯田)充電がどのくらいもつのか。
千野)さらにそれを担保するということで、デバイスの大きさやバッテリーのサイズとの相関もあります。
足の小さい女性の靴になると、本体を小さくする方が「見た目としても好まれるのではないか」というような議論もあります。
いろいろな議論のなかで、「これが正解ではないか」というようなものが複数出てくることもあります。
〇アメリカの見本市にも出展
飯田)まずは国内からになるとは思いますが、目の不自由な方は日本だけではなく、世界中にもたくさんいらっしゃいます。
世界展開なども考えていらっしゃいますか?
千野)私たちの製品は、アプリケーションの操作としての言語はあるにしても、インターフェースとしては言語レスです。
「障害に国境はない」と言われますが、特に自立的な方、歩行能力が高い方には使っていただきやすいと思います。
アメリカやヨーロッパなどとは相性がいいかも知れません。
まず2023年1月には、「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」
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と言われるアメリカの見本市にも出展させていただきますので、そのようなところから海外にも徐々にアプローチしていきたいと思います。
〇旅先で「あしらせ」をレンタルできる仕組みも
飯田)それが広がっていけば、「あしらせ」発で「このようなプランがある」という旅行の提案ができるなど、いろいろなことにつながっていきそうですね。 
 千野)①ショッピングモールや遊園地に、視覚障害者向けのナビゲーションルートをつくることができないか、というような試みも行っています。
また、鉄道会社さんなどとも組んで、「あしらせ」を持っていない方でも
➁旅先などで簡単にレンタルできるような仕組みなど、長距離の移動先で使えるような新しいビジネスの形もお話しさせていただいています。
さまざまなケースで「あしらせ」を使っていただく機会が増えればいいなと思っています。 
〇「あしらせ」を使うことで安心して歩くことができ、「行動してみようという気持ちになった」という声も
飯田)いろいろ進化していますよね。
新行)1年半くらいの間に、150人ほどの方々が使用したそうです。
これまで弱視の方は、歩きながらスマートフォンの画面を拡大して行き先を確認していたのですが、「あしらせ」を使うことによって、歩きスマホをする必要がなくなったという声もありました。
飯田)拡大してスマホを見る必要がなくなった。
新行)また、音声ナビを使うと音声を聞きながら歩くのですが、周りの音が耳に入るなかで、音声ナビの音も聞かなければいけないのです。
「あしらせ」の開発はそのような課題の解決=ナビ情報を足に振動として伝え=にもつながっているのだなと感じました。
安心できるので「行動してみようという気持ちになった」という前向きな声も寄せられたという話が印象的でした。
飯田)ハード=ウェラブル端=面でもサポートしていくことは、行動範囲が広がってクオリティ・オブ・ライフが上がることにもなりますよね。



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