ブラウン商会では、大陸にある各支店につき、
牧師一人を雇っていました。
フランスは、カトリック教徒が多い国で、
国民の中にはプロテスタント系信徒もいる事はいましたが、
現代でもあるように、何か事件が起こると関与を疑われたりなどの、
不利益な事が多いようでした。
トリストラム・シャンディ氏の父親であるウォルターさんは、
頭脳明晰で人間性も素晴らしい子供を得たいと大いに望みながらも、
なぜかその時々で最良の選択をしてはいないのでした。
各月の最初の日曜日は、教会で礼拝が行われる精進日なのでしたが、
決まった日に家庭の用事の全てをいっぺんに片付けたいという父親の都合で、
シャンディさんは受胎されてしまいました。
一方、母親のエリザベスさんは、
各月の最初の日曜日は、身を清め行いを慎むべき日なのに、
「 夫が家の大きなのっぽの古時計のねじを巻き、
夜には自分の相手をする日。 」
― と、頭の中が上書き状態になってしまっていて、
夫から自分の胎内へとシャンディさんが産み付けられた時に、
「 時計のねじを巻き忘れていないか? 」
― という、詳しい事情&観念連合のからくりが分からない人が、
そのセリフだけを聞いたら、
突飛としか思えないような問いを発してしまったのでした。
その後も、ウォルターさん、
出産方法をめぐって、自分のシナリオ通りに事を運ぼうと、
エリザベスさんをしつこく説得し、
エリザベスさんはその度、抵抗していましたが、
本文には具体的な描写が無いけれど、
実は相当イライラしていて、
モーツァルト聴いて、優雅に胎教 ♪
― どころじゃ無かったんでしょうな。
― つーか、ソフト面 ( レコード&CD ) もハード面 ( 再生用家電 )も
まだ発明されてないし、
そもそもエジソンさんすらまだ生まれておらんで~。
And,次の第16話 ( 1765年のロンドンが舞台 ) で、
やっとこまだお子ちゃま時代だった、来英中のモーツァルトさんが登場するくらいなんで、
1718年の英国の東北地方じゃ、
「 マタニティ・モーツァルト 」 なんて絶対聴ける訳が無いわな~。
今日の続きは明日。