有毒である馬酔木
馬酔木は各地に自生するツツジ科の常緑潅木で、高さ1.5~3mになる。春に壺形の小さな白い花を総状につける。葉には、アセボトキシンという動物の呼吸中枢を麻痺させる有毒物質を含んでおり、馬などがこれを食べると、あたかも酔ったようにふらつき、昏睡状態に陥るところから、起こったものだという。
このように毒性があるため、動物が本能的に、この木を食べることはないという。歯・茎をせんじた汁は、ハエ、アブを殺し、家畜の皮膚寄生虫の駆除に用いられる。アシビの花は、春の彼岸の時期にまっ盛りだから、ヒガンギとも呼ばれ、仏前の供花に用いられるという。
また枝一面に垂れ下がった壺形の花を形容してスズラン、シズコバナ(鈴子花の意味)、チョウチンバナともいう。
万葉の歌
さまざまな顔をもつ馬酔木だが、花の美しさは、奈良時代の万葉の人々には、悲しみも、喜びも、恋も馬酔木の花に託して歌に詠むほど愛されていた。
代表作に
磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りと言はなくに
(巻二ー166) 大来皇女(おおくのひめみこ)
【大津皇子の姉、弟の大津皇子とは二歳の年長である。天武二年伊勢神宮に奉仕する斎宮となった翌年に赴任、天武崩御とともに斎宮は解任となって弟が死に処せられた。事件当時は二十六歳だった。】
意味
「池などの岩のほとりの可憐清楚なあしびの花を手折って弟に見せようと思うけれど、お見せしようとするその人は、もうこの世にいるとは誰もいわないことだ」とあきらめきれぬくやしさを訴える気持ちが底にもあるような気がする。(万葉の旅・犬養孝著より)
その他の万葉集の馬酔木(あしび/あせび)を詠んだ歌はこちらから
馬酔木は各地に自生するツツジ科の常緑潅木で、高さ1.5~3mになる。春に壺形の小さな白い花を総状につける。葉には、アセボトキシンという動物の呼吸中枢を麻痺させる有毒物質を含んでおり、馬などがこれを食べると、あたかも酔ったようにふらつき、昏睡状態に陥るところから、起こったものだという。
このように毒性があるため、動物が本能的に、この木を食べることはないという。歯・茎をせんじた汁は、ハエ、アブを殺し、家畜の皮膚寄生虫の駆除に用いられる。アシビの花は、春の彼岸の時期にまっ盛りだから、ヒガンギとも呼ばれ、仏前の供花に用いられるという。
また枝一面に垂れ下がった壺形の花を形容してスズラン、シズコバナ(鈴子花の意味)、チョウチンバナともいう。
万葉の歌
さまざまな顔をもつ馬酔木だが、花の美しさは、奈良時代の万葉の人々には、悲しみも、喜びも、恋も馬酔木の花に託して歌に詠むほど愛されていた。
代表作に
磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りと言はなくに
(巻二ー166) 大来皇女(おおくのひめみこ)
【大津皇子の姉、弟の大津皇子とは二歳の年長である。天武二年伊勢神宮に奉仕する斎宮となった翌年に赴任、天武崩御とともに斎宮は解任となって弟が死に処せられた。事件当時は二十六歳だった。】
意味
「池などの岩のほとりの可憐清楚なあしびの花を手折って弟に見せようと思うけれど、お見せしようとするその人は、もうこの世にいるとは誰もいわないことだ」とあきらめきれぬくやしさを訴える気持ちが底にもあるような気がする。(万葉の旅・犬養孝著より)
その他の万葉集の馬酔木(あしび/あせび)を詠んだ歌はこちらから
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